日経平均は大幅続落。400.42円安の21958.01円(出来高概算8億1000万株)で前場の取引を終えている。

 連休明けとなった29日の米国市場でNYダウは大幅に3日続落し、391ドル安となった。イタリアの政局混乱などから南欧諸国の信用リスクに対する懸念が再燃しており、欧州株安につれてリスク回避の動きが広がった。米国債利回りの低下により金融株を中心に売りがかさんだ。為替市場では1ドル=108円台前半まで円高が進む場面があり、本日の日経平均はこうした流れから306円安でスタートすると、前場には一時21931.65円(426.78円安)まで下落するなど軟調に推移した。東証1部の値下がり銘柄数は全体の86%に上り、全面安の展開だった。

 個別では、三菱UFJ<8306>などの金融株やトヨタ自<7203>、東エレク<8035>といった輸出関連株及び景気敏感株の下げが目立った。その他売買代金上位も東海カーボ<5301>、ソフトバンクG<9984>、武田薬<4502>など全般さえない。界壁施工不備などの発覚を発表したレオパレス21<8848>は商いを伴って急落し、東証1部下落率トップとなった。一方、任天堂<7974>が売買代金トップで3%高。人気ゲーム「ポケットモンスター」シリーズの新作が同社の「ニンテンドースイッチ」向けに発売されると伝わり、個人投資家の買いが向かったようだ。その他では、マネックスG<8698>、昭電工<4004>、KDDI<9433>などが逆行高となった。セクターでは、保険業、非鉄金属、鉄鋼などが下落率上位。上昇したのはその他製品のみだった。

 日経平均は75日移動平均線水準でいったん下げ渋る格好となっており、後場は日銀による上場投資信託(ETF)買い入れの観測も伝わることから、安値圏ながらもみ合いが続きそうだ。ただ、外部環境の不透明感が軟調地合いの主因なだけに、欧米株安を受けたギャップダウンからのスタート後も積極的な押し目買いの動きを期待しづらい。任天堂の株価上昇から個人投資家になお資金余力があることも窺えるが、やはり物色は広がりを欠いている。

 前日までは花王<4452>といった内需・ディフェンシブ関連株への資金流入もみられたが、既に株価位置の高い銘柄も多く、買い一方向には傾きにくい状況にある。個人投資家の物色は比較的需給の良好な小型材料株に集中することが想定される。
(小林大純)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は大幅続落、外部環境の不透明感からリスク回避の流れ