日経平均は反発。158.66円高の21411.38円(出来高概算5億5000万株)で前場の取引を終えた。7日の米国市場はトランプ政権の先行き不透明感から売りが先行したが、ロス商務長官が北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し次第で、カナダ、メキシコへの関税措置を適用除外とする可能性に言及し、NYダウは下げ幅をやや縮小した。ナスダックはハイテク株堅調で4営業日続伸、シカゴ先物は大阪比で240円高の21440円だった。この流れを受けて、前日の米国市場の大幅下落を警戒した反動から買いが先行した。ただし、トランプ米大統領は8日にも関税計画の詳細を発表する可能性があると伝えられており、今晩の米国市場の動向を見極めたいとする模様眺めムードから、21400円を挟んだ狭いレンジ取引が続いている。

 東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1200を超えており、全体の過半数を占めている。セクターではその他製品、倉庫運輸、パルプ紙、電気機器、医薬品、銀行、金属製品がしっかり。半面、海運、卸売、化学、陸運が小安い。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、ファナック<6954>、エーザイ<4523>、京セラ<6971>、ソフトバンクG<9984>がけん引。

 日経平均は、寄付き後はこう着感が強まっているが、一先ず5日線を上回って推移しており、下は売り込みづらいところであろう。トランプ米大統領は8日にも関税計画の詳細を発表する可能性があることも手掛けづらくさせているほか、明日の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を前に、大きくポジションを傾ける動きは考えづらいところであろう。そのため、後場もこう着感が強まりやすいなか、先物主導のインデックス売買に振らされやすい状況になりそうだ。

 日経平均は5日線を上回って推移しているが、これを下回ってくるようだと、ポジションを圧縮する流れからやや利食い優勢になる可能性はありそう。
(村瀬智一)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 ハイテクが日経平均の下支えに