日経平均は大幅に続伸。274.50円高の22772.53円(出来高概算11億9000万株)で前場の取引を終えた。7日の米国市場は、ハイテク株を買い戻す流れが継続しているほか、原油相場の上昇が好感され、NYダウ、ナスダックともに上昇。また、米国では債務上限引き上げの採決が控えるなか、トランプ米大統領は7日、上下両院の指導者と会談し、下院は期間2週間の暫定予算案を同日、上院も8日までに採決の見通しと報じられていることも材料視されている。注目された先物・オプションSQについては、SQ値概算が22590.66円と無難に通過し、さらに日経平均はこれを上回る22627.95円で始まっており、心理的にも買い安心感につながった。

 寄付き後にいったん先物が失速する場面もみられたが、直ぐに切り返す展開。上値抵抗として意識されていた25日線を突破していることもあり、年末高を意識した値動きをみせている。東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1200を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは、33業種全てが上昇しており、空運、パルプ紙、陸運、不動産、精密機器、ゴム製品、サービスが上位に。

 日経平均は抵抗線として意識されていた25日線を突破しており、センチメントを明るくさせている。米雇用統計を控え、模様眺めムードが次第に強まる可能性があるものの、抵抗線突破により、押し目買い意欲は強そうである。また、SQ通過で来週以降は海外勢の商いが減る可能性があるが、年末高を意識した個人の物色が強まりそうだ。

 その他、仮想通貨が急騰しており、投資家の関心がビットコインに向かっている。関連銘柄は年初以降、低迷していたものが多く、見直しの流れが強まるかが注目されそうだ。
(村瀬智一)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は大幅続伸、年末高を意識した個人の物色が強まりそう