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における脱米ドルが加速しているもようだ。米国発の貿易戦争の広がりを受け、新興国などにおける米国への不信感が広がっていることが背景にある。
脱米ドルには金保有高の増加や自国通貨建て取引の拡大、保有米国債の売却などいくつの手法が挙げられる。米財務省が先週に発表したデータによると、外国公的機関や民間投資機関は2019年11月に計415億2800万米ドル(約4兆5473億円)の米国債を売り越したという。売り越し額は11カ月ぶりの高水準を記録した。
これとは対照的に人民元建て債券に対する需要が増加している。中国の統計部門によると、2019年末時点の中国銀行間債券市場の元建て債券の預託残高は2兆1876億元
(約34兆3453億円)に上り、19年通期の増加額は4577億5000万元だったという。また、海外機構における中国元建て債券の預託残高は19年末時点で1兆8769億元に上り、過去最高水準を記録したほか、前年末比で63億6900万元増加したと報告された。
また、BRICsは独自の送金システムSWIFT(スイフト)を構築する計画も明らかにされている。BRICsの海外送金額は15年前の265億米ドルから3380億米ドルまで増加。全世界の貿易額に占めるBRICsの割合はすでに17%に拡大している。
専門家は、BRICsが考案した独自の送金システムSWIFTが実行されれば、脱米ドル化が一段と加速すると予測し、米ドルの基軸通貨としての地位が一段と後退すると強調した。
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