7日投開票されたギリシャ総選挙では、現職のチプラス首相が率いる急進左派連合の獲得票は3割程度にとどまった。一方、野党の新民主主義党(ND、中道右派)の得票率は4割近くとなり、野党の勝利が確実となった。

政権交代が確実となるなか、ギリシャが緊縮財政に逆戻りするとの見方が優勢となっている。財政難や年金カットで多くの国民が生活苦に直面しているにもかかわらず、緊縮財政を唱える野党NDが勝利できたことについて、国民が変革を求めていると指摘されている。

中国の専門家は、チプラス首相が2015年の選挙時に緊縮財政や欧州連合(EU)が求める歳出削減に反対していたが、EUからの金融支援を受けるため、増税や年金カットなど財政引き締めに一転していたと指摘した。

専門家は、ギリシャ国民が緊縮財政を望んでいないものの、健全財政を維持するには緊縮財政が必要だと認識していると強調。また、チプラス首相と違ってNDのマニフェストには福祉を良くするほか、税制改革などを通じて経済発展を刺激すると強調したことがポイントだと分析した。財政を立て直すには緊縮財政のほか、歳入の増加が不可欠だと指摘し、ギリシャ国民が変革を求めているとの見方を示した。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 【中国の視点】ギリシャ:政権交代は確実、経済改革に期待