トランプ米大統領は日本時間11日、中国に対して第2弾の追加関税を発表した。今回は約2000億米ドル(約22兆4000億円)の中国製品は対象となり、10%の関税は追加された。これより先、米政府は中国が米国の知的財産権を侵害したとして500億米ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課すことを決定したばかりだ。

これに対し、中国商務部は同日、米政府の行動が「断じて受け入れられない」と前回と同様なコメントを発表し、反撃する姿勢も示した。なお、中国政府は前回の米政府発表後、同じ規模の報復措置に乗り出した。

ただ、米国企業は必ずしも米政府の通商政策を支持しないのだ。米電気自動車・エネルギー大手テスラは第2弾となる追加関税の発表前日、上海市臨港地区で製造拠点を整備すると発表。また、米シカゴ市のエマニュエル市長も11日、経済・貿易代表団を率いて中国を訪問していた。

中国の専門家は、米国の強硬な姿勢について、中国に対して譲歩を求めていると指摘。両国間の貿易摩擦が経済に与える悪影響が簡単に計算することができないと強調し、米政府の行動が理性的ではないと批判した。また、中国側も追加の報復関税を打ち出す公算が大きいため、両国の貿易戦争が長期化する可能性が高いとの見方を示した。こうした状況を受け、米中両国がともに理性的に対応する必要があると指摘されている。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 【中国の視点】米中貿易戦争:長期化の可能性も、理性的な対応必要