ブラジル景気に回復の兆しが見え始めている。今年8月の銀行預金残高は引き出し額を21億4000万レアル(約753億円)上回った。預金残高が引き出し額を上回るのは4カ月連続となり、8月は2013年以来で最大の貯蓄純増額を記録した。

中国の専門家は、預金残高が引き出し額を上回ることがほかの国では珍しくないと指摘。ただ、ブラジル国民が貯蓄することを好まない上、景気低迷が続いていたため、貯蓄額が増加することが重要な意味を持っていると強調した。

ブラジル全国小売協会などの調査によると、約65%のブラジル国民の貯蓄額はゼロだという。また、2015年に実施された調査では、月給を全部使い果しているブラジル成人が4割に上ったというデータも示された。この割合は今年には6割まで拡大していると報告されている。

給与を全部使い果している成人が増加していることについて、ブラジル景気の低迷に関連していると分析された。直近2年の景気後退に伴い、失業率とインフレ率がともに上昇。国民の収入が減少しているため、貯蓄能力も低下している。今年1-3月期の失業人口は1400万以上に増加したほか、同期のブラジルの預金残高は前年同期比で174億レアル減少した。

ただ、専門家は、基準金利の引き下げに加え、投資利回り金融商品の増加を受け、預金残高がこれから増加するとは限らないとの見方を示した。なお、ブラジル中央銀行は9月6日、基準金利を9.25%から8.25%に引き下げると発表した。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 【中国の視点】ブラジル経済に回復の兆し、貯蓄する国民が増加