航空券だけで往復約9万円!? 子どもはどうする?


当選後、すぐに羽田―新千歳の航空券を確保しようとしたら、手頃な運賃を打ち出すスカイマークでも、最安部類でも大人2人の往復で17万4600円(2026年9月10日時点)。1人8万7300円で、手数料も考慮し、今回は往復約9万円として比較することにしました。ちょっとした海外旅行もできる金額に、コンサートを諦めることも頭をよぎりました。

 

一方、Peachの2026年冬ダイヤの運賃表では、成田―新千歳の「ミニマム」は片道4990~1万1190円、往復換算で9980~2万2380円のようです。手数料が含まれていない金額ではありますが、単純比較しても約9万円という出費の重さを感じます。

 

成田発も調べましたが、成田エクスプレス代を加えると羽田経由と大きく変わらず。現実は、チケットが当たれば行ける、というほど簡単ではありませんでした。子ども(幼児)を預けられる妻の両親は石川県に住んでおり、気軽に頼れる距離ではありません。さらに費用がかさむことにも頭を悩ませました。

 


子どもを預けるため、小松経由でも約9万円


念のため、石川県の小松空港から新千歳空港への便を調べてみると、東京からの新幹線代を足しても、羽田経由とほぼ同じ費用で行けることに気がつきました。

 

小松―新千歳の航空券は往復6万140円(2026年9月10日時点)。東京―小松の新幹線を通常期の普通車指定席、往復2万9640円で計算すると計8万9780円です。石川県内などの移動費は別ですが、羽田の航空券9万円との差はわずか。子どもを預けるための遠回りでも、長距離部分の費用はほぼ同じでした。

 

そこで妻は子どもを連れて石川へ向かい、小松空港から新千歳空港へ飛ぶことに。なお、子どもの交通費はかかっていません。

 


バスと船なら、交通費は約7万円安くなる計算に


筆者は新宿から仙台へバスで向かい、船で苫小牧へ渡りました。バスは行き3300円、帰り4000円の計7300円。仙台から中野栄駅までは電車、そこから港へは徒歩で移動しました。

 

船室は「早得21」で3割引となるB寝台を確保しました。図表1では、利用額と公表運賃を基に、東京―札幌間の主要な移動費を比較しました。空港・港へのアクセスを含め、札幌市内のホテル―会場間の移動費は別にしています。航空券は1人往復9万円と仮定した試算です。

 

図表1 東京―札幌間の主要な往復移動費(大人1人・試算・円)















































費目羽田経由バス+船(B寝台)
航空券90,000円―
新宿―仙台バス―7,300円
フェリー―16,600円
空港・港への移動※5,700円3,578円
主要な移動費合計95,700円27,478円
羽田経由との差―68,222円
削減率―約71.3%

筆者の利用額、航空券比較サイトの表示額、太平洋フェリー・東急バス・北海道中央バス等の公表運賃を基に筆者作成

 

※すべて大人1人・往復。羽田経由の空港アクセスは新宿―羽田1400円×2+新千歳―札幌の往復券2900円。船経由は仙台―中野栄209円×2+苫小牧港―札幌1580円×2。札幌市内のホテル―会場間の地下鉄・タクシー代、ホテル代・食費は含みません。

 

B寝台モデルの主要な移動費は2万7478円。羽田経由の9万5700円との差は6万8222円で、約71%減になる計算です。仮に「きたかみ」のC寝台を早得21の往復1万3200円で確保し、苫小牧―札幌のバス往復券2990円を使えたなら、計2万3908円。差は7万1792円です。

 


大浴場もレストランも。船旅は思いのほか快適


仙台から苫小牧までは約15時間。つらい長旅を覚悟していましたが、思いのほか乗り心地がよく、船内もきれいでした。窓いっぱいの海を眺めていると、節約のための移動が、ちょっとした旅の楽しみに変わっていきました。

 

太平洋フェリーの船内には展望大浴場や食堂、キッズスペースもあります。設備は船によって異なりますが、ただ寝台で時間をつぶすだけの旅ではありませんでした。

 

写真1



フェリーの窓から見えた海(筆者撮影)

 


妻は満員電車、筆者は港からゆったり札幌へ


妻の飛行機は、公演当日の11時台に小松空港を出発する予定でしたが、天候不良で30分ほど遅延。新千歳空港から札幌駅、さらにホテル最寄り駅への電車は「中央線のピーク時」のような混雑だったそうです。

 

一方、前日入りした筆者は、港からホテルまでストレスなく移動できました。日程の違いもあるとはいえ、節約ルートのほうがこんなに快適だとは、うれしい誤算です。

 


ホテルの確保は困難。普段3000円台のカプセルが1万円に


宿泊費は節約できたとは言い難い結果でした。筆者が1人で前泊したカプセルホテルは、普段は3000円台と把握していたのに1万円。公演当日のホテルは当選後なんとか確保できたものの、普段は2万円未満という認識だったのに4万円台でした。それでも、札幌でのホテル確保が難しいという話を聞いていたので、「安く取れた」より「よく取れた」が正直な感想です。

 

当選直後にホテルが空いていない理由としては、当選発表を待たずに、公演スケジュールが発表された瞬間にファンが周辺ホテルを一斉に仮押さえするためと言われています。

 


雨の行列を抜けた先で、会場の熱気に圧倒


写真2



会場付近の混雑の様子(筆者撮影)

 

ホテルから会場へは、豊水すすきの駅から福住駅まで地下鉄で移動(片道250円)。今度は筆者も、都内の満員電車のような混雑を体験。福住駅からドームまでも大行列で、あいにくの雨に傘が連なり、なかなか前へ進めません。会場に着くまでに、すっかりぬれてしまいました。

 

それでも、予定どおり17時に開演すると、会場はすさまじい熱気に包まれました。ステージの魅力はもちろん、それを受け止めるファンの熱量にも圧倒されます。妻に連れられて来た筆者にも、「この時間を楽しみにしていた」という思いが伝わってくるようでした。遠くまで足を運んで会いに来たくなる理由が、少し分かった気がします。

 


19時40分に終演しても、夕食は21時半から


終演は19時40分ごろ。もう少し余韻に浸っていたいものの、規制退場でいつ外に出られるかが気になり、そわそわしてしまいました。

 

近くには、アンコール前に出ようとしてスタッフに止められ、飛行機に間に合わなかったという人も。結果として、私たちが会場を出られたのは20時20分ごろでした。

 

会場を出るのと同時に、筆者は帰りの混雑を見越してタクシーを予約。会場の乗り場は大混雑で周辺にも規制があり、GOでタクシーを呼べなかったため、徒歩15分ほど離れた場所から乗りました。

 

すすきのまでの運賃は1台3300円。行きの地下鉄代とともに、図表1には含めていません。夕食を始められたのは21時半でした。運転手さんは、初日に最後の客を会場で拾ったのは22時ごろだったと話していました。楽しい公演が終わっても、遠征はまだ終わらない。帰りの移動まで含めて、なかなかの一日でした。

 


宿がない……札幌の外まで広がった宿探し


Xでは、旭川など札幌から離れた場所に宿を確保したという話がちらほら。函館や稚内の宿に言及する投稿も見受けられました。ただ、伝聞も含まれ、実際の予約・宿泊の真偽までは定かではありません。

 

旭川へは終演後の臨時特急も設定されていましたが、札幌―旭川の通常期・普通車指定席は大人片道5440円、往復なら1万880円。札幌より宿が安くても、鉄道代だけで1万円以上かかる計算です。

 

同じ週には山下達郎さんの札幌公演もありました。地元の知人からは、訪日客やコンサート客で混み合い、道内出張者でも宿を取れず漫画喫茶で夜を過ごす人がいる、と聞きました。

 


「前泊すればいい」だけでは済まない遠征事情


Xには飛行機の遅延で開演に間に合わないと訴える投稿や、LCC選びへの批判もありました。ただ、前泊には宿代と休暇が必要です。仕事を簡単には休めないという声に、子どもの預け先まで調整したわが家の遠征も重なりました。

 

前日には、札幌のネットカフェで作業しようとし、2店ほど満席で断られたという投稿も。街の混雑ぶりをうかがわせる声でした。

 

仮に夫婦2人とも同じバス代でC寝台の割引ルートを使えたなら、主要な移動費は計4万7816円という計算。2人とも羽田経由の計19万1400円との差は約14.4万円です。会場への移動費・宿泊・食費・子どもの預け先への移動費は含めず、2人分の往復割引枠と移動時間を確保できた場合の試算です。

 

実際には、妻は子どもを預けるため石川へ、筆者は海を渡って札幌へ。同じ公演に行く夫婦でも、旅の景色はずいぶん違いました。会場で感じたファンの熱気を思い返すと、一人ひとりに、それぞれのお金のかけ方や事情があったのだろうと思います。移動の手間も、節約の工夫も、ホテル代へのため息も含めて、忘れられない遠征になりました。

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 【実録】Snow Man札幌公演で「飛行機1万→9万円」「ホテル2万→4万円」に超高騰も、東京から“バスと船”で「約7万円」削減!? 交通費「2万7000円」に抑えつつ、大浴場まで満喫した「節約遠征記」 」