そもそも「配当」とは何か?


企業は資金調達の方法のひとつとして株式を発行します。そして、株主に対して利益の一部を還元する仕組みが「配当」で、受け取るお金を「配当金」と呼びます。例えば1株当たり100円の配当が出る場合、100株を保有している株主は1万円、1000株なら10万円の配当金(税引前)を受け取れます。

 

企業が得た利益のうち、どの程度を配当に回しているかを表す割合を「配当性向」と呼びます。配当性向が高いほど、利益を株主に多く還元しているといえます。ただし、高すぎると事業への投資に回せるお金が少なくなり、利益が減ったときに配当を維持しにくくなる面もあります。配当性向だけでなく、利益が安定しているかもあわせて確認することが大切です。

 


連続増配ランキングを紹介


企業が配当を出し続けるには、安定して利益を生み出す必要があります。そこで、投資家が注目する要素のひとつが「連続増配」です。連続増配とは、1株当たりの配当金を継続して増やすことを指します。長期間にわたって増配が続いていることは、利益が安定して伸びてきたことの表れといえます。

 

ただし、過去の実績が今後の増配を約束するものではありません。表1は、2026年10月時点で連続増配期間が長い企業の上位5社をまとめたものです。

 

表1





































企業名連続期数
1位花王株式会社36期
2位SPK株式会社28期
3位(同率)小林製薬株式会社27期
3位(同率)三菱HCキャピタル株式会社27期
5位株式会社ユー・エス・エス26期

※筆者作成

 

花王株式会社は、36期連続で増配しています。連続増配が始まる前の1990年3月期の年間配当は1株当たり7.1円でしたが、2025年12月期には154円になりました。この間、100株を保有し続けていた場合、受け取った配当の合計は22万8960円(税引前)になります。

 

このように、連続増配を続けている企業は、業績が長期間堅調であり、かつ株主への還元意識の高い企業であるということがデータからうかがえます。

 


配当の有無だけで投資先を判断できる?


配当を出していない銘柄を見ると、「業績が悪いのでは」と思われるかもしれません。しかし、配当を出していないからといって、必ずしも投資先として評価が低い企業とは限りません。

 

例えば、成長段階にある企業では、利益を配当に回すよりも、事業拡大や研究開発に使うために社内に残す(内部留保する)ケースがあります。配当がなくても、企業が成長して株価が上がれば、値上がり益(キャピタルゲイン)を得られる可能性があります。また、配当ではなく自社株買いで株主に還元する企業もあります。

 

実際に、2024年12月に上場したキオクシアホールディングス株式会社は、2026年3月期まで配当を出していません。

 

一方で、株価は2024年12月30日の546.7円から2025年12月30日には3478.3円となり、1年で約2900円上がりました(2026年10月の株式分割〈1株→3株〉を反映した調整後の株価)。ただし、株価は大きく変動することがあり、値上がりが続くとは限りません。

 


まとめ


このように、株式を選ぶ際は、配当の有無だけで判断することはできません。連続増配を続ける企業がある一方、利益を事業の成長に再投資するため、配当を出さない企業もあります。どのような形で利益を還元しているのか、現在の経営状態はどうかなど、さまざまな視点から判断することが大切です。

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 花王は“36期連続増配”! でも配当なしで株価が「3000円近く」上がった銘柄も。株は「配当あり・なし」だけで選んでいい? 」