マンションの管理は管理組合が行う


マンションの区分所有者は、建物ならびにその敷地および付属施設を管理するための団体(管理組合)を構成します。

 

管理組合では、区分所有法や管理規約などに基づいて、総会を開いたり、管理者を置いたりするなどして、マンションを管理します。

 

管理組合に理事会を置く場合、その権限や役割、理事の選任方法、理事会の運営方法などは、管理規約などにより定められます。

 


管理規約で理事会と総会の権限を確認する


マンションの管理は、区分所有法の規定によるほか、管理組合が定める管理規約に基づいて行われます。

 

管理規約には、管理費や修繕積立金の負担、理事会の権限や総会の議決事項など、マンションの管理に関するさまざまなルールが定められています。そのため、理事会で「共用部分の修繕費として1世帯8万円を追加徴収する」と決められた場合、その決定だけを見て支払い義務の有無を判断することはできません。

 

まずは、管理規約において、追加徴収について誰が決定することになっているのかを確認する必要があります。

 

国土交通省が示しているマンション標準管理規約(※2)では、管理費などの賦課徴収方法、特別の管理の実施、それに充てるための資金の借り入れや修繕積立金の取り崩しなどは、総会の議決事項とされています。

 


理事会だけで追加徴収を決められるとはかぎらない


共用部分の修繕に必要な費用について、修繕積立金が不足するなどの理由から、区分所有者から一時的に追加の負担金を徴収する場合があります。国土交通省のマンション標準管理規約でも、このような「一時負担金」が想定されています。

 

ただし、理事会で決定したからといって、必ずその決定だけで追加徴収ができるとはかぎりません。例えば、国土交通省の標準管理規約では、管理費などの額や賦課徴収方法、特別の管理の実施などについて総会の議決を必要としています。

 

したがって、理事会における「1世帯8万円の追加徴収」の決定について、以下の点を確認する必要があります。






・管理規約に理事会の決定権限が定められているか

・追加徴収について総会の決議が必要とされていないか

・理事会の議決が管理規約に定めた手続きに従って行われたか



管理規約上、総会の決議が必要な事項について、理事会だけで決定していたのであれば、その決定だけを根拠として追加徴収できるとはかぎりません。

 


総会で適法に決議された場合は、反対しても負担する必要がある


一方、管理規約に従って総会に議案が提出され、必要な手続きを経たうえで追加徴収が決議された場合には、決議に反対した区分所有者もその決議の効力を受けることになります。

 

つまり、総会で自分が反対票を投じたからといって、決議された追加徴収を拒否することはできません。

 


まとめ


マンションの共用部分の修繕費について、区分所有者から1世帯8万円の追加徴収を行う場合、理事会が決めたというだけで、当然に支払い義務が発生すると一律に判断することはできません。

 

管理規約で理事会にどのような権限が与えられているのか、総会の決議が必要な事項ではないか、必要な手続きを経て決定されたのかを確認する必要があります。

 

一方、管理規約に従って総会で適法に追加徴収が決議された場合は、総会で反対した区分所有者であっても決議の効力を受けることになります。

 


出典


(※1)デジタル庁 e-Gov 法令検索 建物の区分所有等に関する法律

(※2)国土交通省 マンション標準管理規約

 

執筆者 : 辻章嗣

ウィングFP相談室 代表

CFP(R)認定者、社会保険労務士


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 マンションの理事会で「共用部の修繕費」として急に「1世帯8万円」の追加徴収が決まりました。反対しても払わなければならないのでしょうか? 」