「海外旅行で買った置物から何か出てきた…」ケニア土産をめぐる投稿が海外SNSで話題! その正体とは? 日本へ持ち帰る際は何に注意する?
ケニア土産の木彫りから“謎の粉”が…海外SNSで話題になった投稿とは?
海外掲示板のRedditで、「数ヶ月前にケニア旅行で買った木彫りの置物から、最近になって奇妙な粉のようなものが出てきたけどこれは何?」という内容の投稿がされました。
実物の写真も投稿されており、それを見た人からは「フラス」と呼ばれる、木材を食害する昆虫などが残す木くずや排せつ物などの可能性を指摘する声も寄せられました。
一見きれいに見える木彫りの民芸品でも、木材の乾燥や処理が不十分な場合、内部に木材害虫が潜んでいる可能性があります。投稿された画像のように、購入から数ヶ月後に穴が開いたり、木くずが出てきたりするケースもあるようです。
一般的な木工品は植物検疫の対象外。ただし「虫がいるかも」と思ったら要注意
農林水産省の植物防疫所によると、「製材、防腐木材、木工品、竹工品及び家具什器等の加工品」などは高度に加工されており、病害虫が付着する恐れがないとして、通常は輸入植物検疫の対象外とされています。
ただし、その一方で「病害虫が付着する可能性のある植物はすべて検査の対象」としており、海外から手荷物として植物を持ち込む際は、税関検査の前に、税関検査場内にある植物検疫カウンターで検査を受けるよう案内しています。
そのため、加工された品であっても、購入時点で穴が開いていたり、木粉が出ていたりするなど病害虫の付着が疑われる場合は、自己判断せずに空港の植物防疫所へ確認したほうがよいでしょう。
なお、お土産の量が少なくても植物検疫の規制が適用されるケースもあるので、持ち帰る前に検査対象かあらかじめ確認しておくことが重要です。
持ち帰った後に虫が出たら? 自宅の家具や床への影響にも注意
もし、木材害虫が内部に残った状態でお土産が国内に持ち込まれた場合、置物以外の周囲の木製の家具や床材にも被害が及ぶ可能性があります。
ただ、どれだけ家屋に被害が及ぶかは虫の種類や環境によって異なるため、木粉が出たからといって必ず家に被害が出るわけではありません。
とはいえ、帰国後に海外で購入した木製品から木粉や虫が出てきた場合は、むやみに移動させずに、ほかの木製品と離した状態で、植物防疫所や専門業者に問い合わせたほうがよいでしょう。お土産を選ぶ際は見た目だけではなく、材質や状態を確認しておくのも大切なポイントです。
木製品だけではない。象牙や動物由来のお土産はワシントン条約にも留意
海外旅行では木彫り以外にも、象牙や動物の皮・骨などを用いた工芸品を見かけることもあります。こうした品は、植物検疫だけでなくワシントン条約(CITES)による規制対象となる場合があるため注意が必要です。
経済産業省によると、ワシントン条約では生きている動植物のほかにも、対象の動植物の一部が使用されている加工品も規制の対象としています。日本へ輸入する際には、輸出国が発行するCITES輸出許可書などが必要なケースがあります。
特に、象牙などの特定の野生動物由来の製品に関しては、原産地や加工状態、種によって規制内容が異なるため、「お土産だから大丈夫」というわけにはいきません。
手続きに不備があった場合には、貨物の輸出国への返送や任意放棄を求められる可能性もあるため、購入する前に、素材や規制対象かどうかをあらかじめ確認しておきましょう。
まとめ
日本では売られていない珍しい工芸品を購入できるのは海外旅行の醍醐味ですが、品物によっては虫害が起きていたり、条約の規制対象になっていたりする可能性があります。
海外でお土産を楽しむのであれば、持ち帰り可能かを含めて選ぶことが大切です。木工品の場合には虫食いなどの被害がないか、象牙などの動植物由来品に関しては検疫やCITESの規制対象になっていないかチェックしましょう。
出典
農林水産省 植物防疫所 輸入植物検疫の対象とならない植物について
農林水産省 植物防疫所 植物検疫制度について
経済産業省 ワシントン条約規制対象貨物の輸出承認手続き
経済産業省 輸入通関トラブル対応フローチャート【個人の方向け】
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー