小学生の息子が友人と遊んでいて、相手のメガネを壊してしまいました。購入から「3年」のメガネですが、相手の母親から新品代「4万円」を請求されています… 全額弁償するのが普通なのでしょうか?
子どもが友人のメガネを壊したら親に弁償する義務はある?
子どもが友人のメガネを壊した場合、状況によっては損害賠償の責任が生じます。
民法第709条では、故意または過失によって他人に損害を与えた場合、賠償責任を負うと定めています。ここでいう過失とは、不注意によって損害を与えることを指します。
ただし、子どもが起こした事故について、必ずしも親が賠償責任を負うわけではありません。例えば、民法第712条では、自分の行動に責任が伴うことを理解できるだけの判断能力がない未成年者は、賠償責任を負わないとされています。このような場合は、民法第714条に基づき、親などの監督義務者が責任を負う可能性があります。
一方、子ども自身に責任能力がある場合でも、親の監督に問題があれば、親が賠償責任を問われる可能性も否定できません。
ただし、実際に賠償義務が生じるかどうかは、事故の状況によって異なります。そのため、どのような遊び方をしていたのか、誰に不注意があったのかなど、事故当時の状況を詳しく確認することが大切です。
3年前に購入したメガネでも新品代4万円を全額支払う必要がある?
メガネを壊した場合、必ずしも新品の購入代金を全額支払う必要はありません。そもそも、損害賠償は基本的に事故によって生じた損害を補うことが目的となります。そのため、壊れた物の購入価格ではなく、事故当時の価値である「時価」が賠償額の判断材料になります。
例えば、3年前に4万円で購入したメガネでも、使用による傷や劣化があれば、事故当時の価値は購入時より低くなっていると考えられます。仮に、事故当時の価値が2万円と評価されれば、その金額が賠償額を検討する際の目安になります。ただし、購入から3年経過したメガネの価値が、一律に半額になるわけではありません。
また、メガネは視力を補うために必要な物であることも考慮すべきポイントです。実際に、過去の裁判例には新品の購入費用が認められたケースもあり、使用年数だけで賠償額が決まるとはいえないでしょう。
一方、修理によって元の状態に戻せる場合は、修理費用も重要な判断材料です。そのため、まずは相手の保護者に眼鏡店で修理の可否や費用を確認してもらい、その結果を踏まえて弁償額を話し合うとよいでしょう。
メガネの弁償でトラブルを防ぐには?
相手の保護者から4万円を請求された場合、すぐに全額支払うと約束するのではなく、金額の根拠を確認することが大切です。具体的には、メガネの購入時期や購入価格、破損した部分、修理の見積もりなどを確認することで、適切な賠償額を検討しやすくなります。
ただし、金額だけでなく、相手の気持ちにも配慮しましょう。メガネが使えなくなると、学校生活にも支障が出る可能性があるため、まずは相手に謝罪し、必要な費用について冷静に話し合うことが重要です。
また、弁償による経済的な負担を軽減する方法として、家庭で加入している「個人賠償責任保険」が利用できる可能性もあります。
個人賠償責任保険とは、日常生活で他人の物を壊したり、けがをさせたりして、法律上の賠償責任を負った場合に備える保険です。自動車保険や火災保険などの特約として加入している場合もあるため、契約内容を確認しておくとよいでしょう。
なお、保険会社に相談する前に賠償額を約束すると、保険金が支払われない場合があります。したがって、保険を利用する可能性がある場合は、相手と賠償額について合意する前に、保険会社へ連絡することをおすすめします。
メガネの弁償額は使用年数や破損状況を踏まえて話し合おう
子どもが友人のメガネを壊した場合でも、新品代4万円を必ず全額弁償しなければならないわけではありません。実際の弁償額については、購入から3年が経過していることや事故当時の価値、修理の可否などを踏まえて検討することが大切です。
ただし、金額だけにこだわると、保護者同士の関係が悪化するおそれもあります。相手への謝罪を大切にしながら、修理費用や保険の利用も含めて話し合うことが、円満な解決につながるでしょう。
出典
デジタル庁 e-Gov 法令検索 民法
公益財団法人日弁連交通事故相談センター 交通事故で被害で壊れてしまった携行物等について新品価格が賠償されるケース
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー