隣家から飛んでくる落ち葉の掃除代は請求できる?


隣家の木から落ち葉が飛んでくる場合でも、原則として、その掃除代を隣人に請求することは難しいと考えられます。なぜなら、落ち葉は風などによって自然に飛散するものであり、住宅地では周囲の木から多少の落ち葉が入ってくることも珍しくないためです。

 

また、法律上も、落ち葉が敷地内に入ったという理由だけで、木の所有者に清掃費用の支払いを義務付ける直接的な規定はありません。そのため、通常の範囲で発生する落ち葉については、自宅の敷地を管理する人が掃除することになるのが一般的です。

 

ただし、落ち葉による被害が著しく大きい場合は、事情が異なります。例えば、落ち葉が雨どいに詰まって建物が傷むなど、社会生活上の受忍限度(一般的に我慢すべき範囲)を超える被害が発生した場合には、民法709条に基づき損害賠償を請求できる可能性があります。

 


年間の清掃費用を負担してもらえるケースとは?


落ち葉の被害が「受忍限度」を超えている場合は、隣人に損害賠償を請求できる可能性があります。受忍限度とは、社会生活を送るうえで、一般的に我慢すべきと考えられる範囲のことです。

 

例えば、落ち葉が雨どいに詰まり、雨漏りによって建物が傷んだ場合などは、損害賠償が認められる可能性があります。ただし、実際に損害賠償を請求するには、隣家の木の管理状況に問題があったかどうかや、その木が被害の原因となったことなどを証拠で示す必要があるでしょう。

 

このように、損害賠償が認められるには一定の条件があるため、今回のケースで清掃業者に年間2万4000円を支払ったとしても、その全額を隣人に負担してもらえるとはかぎりません。

 

仮に月2000円の清掃費用が5年間続けば、合計12万円に上ります。ただし、負担額の大きいという理由だけでは、隣人の賠償責任は認められません。そこで、隣人に費用の負担を求める際は、落ち葉の量や被害状況を写真で記録し、清掃業者の領収書などを保管しておくとよいでしょう。

 


隣家の木の枝を切ってもらうことはできる?


落ち葉そのものの清掃を強制することは難しくても、隣家の木の枝が自宅の敷地にはみ出している場合は、別の対応が可能です。民法233条では、隣地から木の枝が境界線を越えて伸びている場合、木の所有者に切除を求めることが認められています。

 

また、2023年4月に施行された改正民法では、以下のいずれかに該当する場合、自分で越境した枝を切り取ることも可能になりました。






1. 木の所有者に枝の切除を求めても、相当の期間内に対応してもらえない場合

2. 木の所有者やその所在が分からない場合

3. 枝が折れそうで危険が差し迫っているなど、急迫の事情がある場合




ただし、枝が越境していない場合には、この規定を根拠として切除を求めることはできません。また、越境していても、上記の条件を満たさないまま自分で切除することは避けるべきでしょう。

 

そのため、まずは隣人に落ち葉の状況を説明し、枝の剪定や庭木の管理について相談することをおすすめします。

 


落ち葉の被害を記録し、隣人と解決策を話し合おう


隣家の木から飛んでくる落ち葉については、原則として清掃費用を隣人に請求することは難しいと考えられます。ただし、被害が受忍限度を超える場合には、損害賠償が認められる可能性もあるでしょう。

 

また、隣家の木の枝が自宅の敷地にはみ出している場合は、所有者に切除を求めることができます。さらに、所有者に切除を求めても相当の期間内に対応してもらえない場合など一定の条件を満たせば、自分で切除することも可能です。

 

年間2万4000円の清掃費用は、5年間で12万円もの負担になります。清掃費用の負担や近隣トラブルをできるだけ抑えるためにも、落ち葉の量や被害状況を記録したうえで、隣人と枝の剪定や庭木の管理について話し合い、双方が納得できる解決策を探しましょう。

 


出典


デジタル庁 e-Gov 法令検索 民法

法務省 民法の改正(所有者不明土地等関係)の主な改正項目について

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 隣家の木から落ち葉が毎日のように入り、清掃を頼むと年「2万4000円」かかります。夫は「自然のことだから仕方ない」と言いますが、私は5年なら「12万円」も負担することに… どこまで隣人に対応を求められるのでしょうか? 」