実家を売却するため片づけていたら、両親それぞれの「繰越済み通帳」が50冊以上出てきました…。本人たちは健在ですが、今のうちに処分しても問題ないでしょうか?
繰越済み通帳は処分して問題ない?
繰越済み通帳は、基本的に処分しても問題ありません。繰越済み通帳とは、記帳欄がいっぱいになるなどの理由で、新しい通帳に切り替えられた古い通帳のことです。
一般の個人が私生活で使っていた通帳について、すべてを一定期間保管しなければならないという一律の決まりはありません。ただし、古い通帳には過去の入出金の記録が残っています。そのため、処分する前に内容を確認することが大切です。
例えば、古い通帳から現在は使っていない銀行口座が見つかることもあります。長期間取引がない口座でも預金が残っている可能性があるため、銀行に問い合わせて確認するとよいでしょう。
また、今回のように両親が健在な場合は、本人の了承を得ずに処分することは避けましょう。通帳の持ち主である両親に確認し、必要なものと不要なものを一緒に仕分けることをおすすめします。
相続や贈与に備えて古い通帳は何年分残しておくべき?
繰越済み通帳は、相続や贈与に備えて、過去7年分をひとつの目安として保管しておくと安心です。ただし、すべての人に7年間の保管が法律で義務づけられているわけではありません。
相続税の申告では、亡くなった人が保有していた財産だけでなく、過去のお金の動きを確認する場合があります。
例えば、親から子どもへ数百万円が振り込まれていた場合、そのお金が贈与されたものなのか、一時的に預けられたものなのかを確認する必要が生じることがあります。
また、相続税の計算では、一定の生前贈与を相続財産に加える制度があります。2024年以降の贈与から対象期間が段階的に延長され、将来的には相続開始前7年以内の贈与が対象となります。
ただし、贈与の時期や制度の利用状況によって扱いが異なります。そのため、7年以上前の通帳でも、大きな入出金が記録されているものは残しておくとよいでしょう。
通帳を処分した後でも、金融機関から取引履歴を取り寄せられる場合があります。しかし、手数料が発生したり、古い記録を取得できなかったりする可能性があります。
将来の手間を減らすためにも、必要になりそうな通帳は慎重に保管しましょう。
不要になった繰越済み通帳を安全に処分する方法
不要な通帳を処分するときは、個人情報が漏れないように注意しましょう。通帳には氏名や口座番号だけでなく、住所や届出印の印影、給与や年金の振込記録などが記載されている場合があります。
そのままごみに出すと、第三者に情報を知られるおそれがあります。安全に処分するには、シュレッダーを使って細かく裁断する方法がおすすめです。
シュレッダーがない場合は、氏名や口座番号などを黒いペンで塗りつぶしたうえで、ハサミで細かく切りましょう。特に、届出印の印影が残っている部分は、判別できないようにすることが大切です。
まとめ|両親と相談しながら必要な通帳を残して整理しよう
繰越済み通帳は基本的に処分できますが、相続や贈与などの手続きで必要になる可能性があります。そのため、過去7年分をひとつの目安として保管し、大きな入出金の記録がある通帳などは慎重に扱いましょう。
今回のように両親が健在であれば、通帳を整理するよい機会でもあります。まずは両親と相談しながら、銀行ごとに通帳を分け、現在も利用している口座を確認してみましょう。
必要な通帳だけを残して安全に処分すれば、実家の片づけを進めながら、将来の相続に向けた準備にもつながります。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー