「北海道はクマが怖いから」と“函館旅行”をためらう母…「1本1~2万円」のクマ撃退スプレーは買うべき?」に、在住者は「函館山にクマはいません」と即答!? 出没情報で”行き先別”に必要な備えと費用を確認
函館山と市街地の観光地ならスプレー代は0円でよい理由
函館山や西部地区、五稜郭などの観光地は、ヒグマが出没しない、または基本的に出没しないエリアとされています。函館市の公式観光サイトをもとに、市街地の観光地でスプレーを用意しなくてもよい理由を見ていきましょう。
函館山はもともとヒグマの生息範囲外
函館市公式観光サイト「はこぶら」の2025年のまとめによると、函館山はもともとヒグマの生息範囲外とされています。シカなどの大型動物も生息していないとされ、夜景観賞も落ち着いて楽しめるでしょう。筆者の実体験でも、函館山の登山や夜景観賞の際に、クマを心配したことはありません。
西部地区・五稜郭・湯の川も「基本的に出没なし」
同じ資料では市内のエリアごとの出没状況がまとめられており、主なエリアの状況は図表1のとおりです。
図表1 函館市内のエリア別ヒグマ出没状況(2025年)
| エリア | 出没状況 | 特徴 |
|---|---|---|
| 函館山 | 出没なし | もともと生息範囲外 |
| 西部地区・五稜郭・湯の川地区 | 基本的に出没なし | 香雪園付近で2025年9月に情報あり |
| 美原・戸井地区 | 複数出没あり | 山間部に近いエリアや汐首岬周辺 |
| 恵山・椴法華・南茅部地区 | 複数出没あり | 恵山周辺や縄文遺跡群周辺など |
はこぶら 2025年 函館市内のヒグマ出没状況について(エリア別まとめ)より筆者作成
主な観光地が集まる市街地は、函館山を含めて「出没なし」または「基本的に出没なし」とされています。ただし湯の川の高台にある香雪園の近くでは情報があったため、郊外寄りの施設を訪れる際は最新の出没情報を確認しましょう。
注意が必要なのは南茅部地区や恵山地区、陣川町などの郊外
市街地を離れると、南茅部地区や恵山地区、陣川町のように、ヒグマの出没情報が寄せられているエリアがあります。いずれも観光スポットがある地区のため、地区ごとの出没状況と、訪れる際に意識したい行動を確認しましょう。
縄文遺跡群がある南茅部地区
はこぶらの2025年のまとめでは、縄文遺跡群がある南茅部地区で、広い範囲から複数の出没情報が寄せられています。遺跡群の周辺のほか、国道のバイパス沿いや川汲峠でも情報があり、移動中も油断はできません。
活火山の恵山がある恵山地区
同じまとめでは、活火山の恵山がある恵山・椴法華地区でも、恵山周辺で複数の出没情報があったとされています。恵山は噴火警戒レベル1の活火山で、火口付近では火山ガスなどへの注意も呼びかけられています。
四稜郭や東照宮がある陣川町
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筆者撮影
四稜郭や北海道東照宮がある陣川町では、2026年8月に畑のニンジンがクマに食い荒らされる被害が確認されています。【要確認:ひぐまっぷで記録を確認後に確定】史跡や神社を訪れる際も、市が案内する出没情報マップ「ひぐまっぷ」を事前に確認すると安心です。
郊外を訪れるときに意識したい行動
函館市は、いずれの山林にもヒグマが潜んでいる可能性があるとして、人身被害を防ぐための行動を挙げています。
・むやみに山林へ立ち入らず、立ち入る際は複数で行動する
・鈴やラジオなど音の出る物を携帯し、人の存在を知らせる
・活動が活発になる早朝や夕方の時間帯に配慮する
・足跡やフンなどの痕跡を見つけたら、速やかにその場を離れる
多くは大きな出費をかけずに実践できる内容のため、郊外の観光地は日中に複数人で訪れることを心がけましょう。
スプレーが必要な場合は「現地で借りる」も選択肢
写真2
筆者撮影
山林での散策や登山を予定している場合は、クマ撃退スプレーの準備を検討する人もいるでしょう。飛行機への持ち込みの可否や現地で借りる方法、国が示した選び方の目安を確認します。
クマ撃退スプレーは飛行機に持ち込めない
国土交通省によると、熊よけスプレーは機内への持ち込みも、お預け手荷物として預けることもできません。国産品の一例ではスプレー単体で9900円、専用ホルダーとのセットで1万4080円と、1本1~2万円ほどかかります。
しかし飛行機で函館を訪れる場合は、自宅の近くで購入しても持って行くことはできません。消費者庁などは、スプレーの貸出を行っている機関や事業者の活用も検討するよう呼びかけています。
行き先を決めてから備えにかけるお金を考えよう
函館山や西部地区、五稜郭などの市街地を巡るだけであれば、高価なスプレーを購入する必要性は低いと考えられます。南茅部地区や恵山地区、陣川町などの郊外では、無料で見られる出没情報を確認し、日中に複数人で行動しましょう。
山林に入る予定があるときだけ、レンタルも含めてスプレーの準備を検討すると、旅行の費用を無駄なく抑えられるでしょう。
執筆者 : 木彫りグマ
FP2級、北海道在住ライター