なぜディーラーは「新型への乗り換え」を強く勧めるのか?


営業担当者が乗り換えを勧めるのは、単に親切心からだけではありません。ディーラー側には主に2つの事情があります。




・新車の販売台数実績(ノルマ)になる

・良質なワンオーナーの中古車(下取り車)を自社で確保できる




 

残クレの満期を迎えるユーザーは、ディーラーにとって「最も商談をまとめやすい見込み客」です。そのため、「月々の支払いは変わりません」というキラーフレーズを使って乗り換えを促すのが営業の定石となっています。

 


「乗り換え」と「残価精算」のメリット・デメリット


満期時の主な選択肢について、それぞれの特徴を整理してみましょう。

 


1.新型ヴォクシーへ乗り換える場合


メリットは、手元の貯蓄を減らさず、最新の安全装備や新車保証が付いた新型に乗ることができることです。直近の車検費用やタイヤ交換などの大きな出費を避けられる点もメリットでしょう。

 

一方でデメリットは、ローンの返済期間がさらに数年リセットされ、借金生活が長期化すること。車がいつまで経っても自分の資産にならず、実質的に「車のサブスク状態」(=終わらないローン生活)が続くことになります。

 


2.残価200万円を払って乗り続ける場合


メリットは、一括で支払えばローンが完全に終了し、以後の毎月の固定費が大きく浮くことです。所有権が自分に移るため、走行距離や傷・凹みを気にするストレスもなくなります。

 

デメリットは、一括の場合貯蓄から200万円が一気に減ってしまうことで備えが薄くなること。

 

手元資金がないからとディーラーで「再分割(再ローン)」を組むと、年5〜8%前後の高金利が適用されるケースが多いため注意が必要です。後述する金利の低い銀行ローンにするなど、検討する必要もあるでしょう。

 


「月々の支払いが同じ」に潜む落とし穴


「月々の支払額が変わらない」といっても、負担が据え置きなわけではありません。

 

新型ヴォクシーは安全装備の進化などに伴い、車両本体価格が以前のモデルより上がっています。「月々3万円台」を維持するために、ボーナス加算額を増やされたり、最終回の残価を無理に高く設定されたりしていないか、見積書の精査が必要です。

 

また、乗り換えるたびに新しいローンの金利を払い直すことになるため、長期的に見れば生涯で支払う車両購入費用は跳ね上がっていきます。

 


200万円を払えないときの解決策


「乗り続けたいけれど200万円の現金がない」という場合は、ディーラーの高い金利で再ローン契約をする前に、「銀行や信用金庫のマイカーローンへの借り換え」を検討してみましょう。

 

年1.5~3%前後の低金利ローンを利用して残価200万円を一括精算し、銀行へ分割返済していく方法です。これなら金利負担を抑えつつ着実に残高を減らせるため、数年後には完全に自分の車(資産)にすることができます。

 


まとめ


「200万円払えないから乗り換える」という選択は、新たなローンの返済が始まることを意味します。最新の安全装備を最優先し、車を「月々の利用料」と割り切れるなら乗り換えも選択肢になりますが、今後子どもの教育費や住宅ローンのために固定費を抑えたいなら乗り続けてローン完済を目指すのも一考です。

 

ディーラーの営業トークに流されることなく、今後の家計状況やライフステージに合わせて最適な道を選びましょう。

 

執筆者 : 宇野源一

FP2級、AFP、中古自動車査定士、損害保険募集人


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 愛車ヴォクシーに「残クレ満期で200万円払えないなら新型へ」とディーラーの誘いに乗り後悔!「新型に乗り換えれば月3万円台のまま」のはずが“一生ローンが終わらない”!?「ボーナス加算額」を吊り上げる巧妙な見積りの正体 」