大学進学にはまとまったお金が必要


大学進学では、入学金や授業料だけでなく、受験料や教材費、場合によっては一人暮らしの費用なども発生します。また、大学の学費は入学時だけでなく、その後も継続して発生します。

 

今回のケースの子どもは現在15歳のため、順調に進学すれば約3年後には大学入学を迎えます。教育資金500万円は、比較的近い将来に使う予定のお金といえるでしょう。

 


500万円を年7%で運用すると3年後はいくら?


妻が提案している「オルカン」は、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という投資信託の愛称です。日本を含む世界各国の株式に幅広く投資できる商品として、知られています。

 

500万円を年7%の複利で3年間運用できた場合、3年後には約613万円になります。運用益は約113万円で、妻が言うように100万円以上増える計算です。

 

ただし、これは毎年7%で運用できたと仮定した場合の試算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。また、実際に手元に残る資金としては、税金や運用コストを考慮する必要があります。

 


3年後に株価が暴落している可能性も


オルカンは、世界中の株式に分散投資できますが、元本保証の商品ではありません。例えば、500万円を投資した後、大学入学直前に株価が20%下落した場合、資産は400万円になります。

 

30%下落すれば350万円となり、当初の500万円から150万円も減ってしまいます。長期間の投資であれば、相場が回復するまで保有を続ける選択肢もあるでしょう。

 

しかし、大学の入学金や授業料は、支払う時期を自由に延期できるものではありません。必要なタイミングで株価が下落していれば、損失を抱えたまま売却せざるを得なくなる可能性があります。

 


投資の基本は「長期・積立・分散」


一般的に、投資の基本は「長期・積立・分散」といわれます。

 

長期投資は、運用期間を長く確保することで複利の効果を生かしやすくする方法です。積立投資は購入時期を分散し、分散投資は特定の資産への集中を避けることで、リスクを抑える効果が期待できます。

 

オルカンは、世界各国の株式に分散していますが、株式という資産に投資する商品です。世界的に株価が下落すれば、大きな損失が発生する可能性もあります。

 

特に今回のように運用期間が3年間しかない場合、長期投資のメリットを十分に生かせない点に注意が必要です。

 


500万円を全て預金にするのが正解?


そもそも、教育資金500万円は、全て預金で保有すべきなのかというと、必ずしもそうとは限りません。例えば、500万円とは別に大学4年間の学費や生活費を十分に確保できている家庭なら、一部を長期運用に回すことも選択肢になります。

 

一方、500万円が大学進学のために準備した資金の全てなら、全額を投資することには慎重になるべきでしょう。まずは進学先に応じて必要な費用を見積もり、入学金や当面の授業料など、確実に必要になるお金を預金で確保することが重要です。

 

3年間でいくら増えるかの前に、万一そのお金が減った際にはどう対応するのか、を考えましょう。そのうえで、当面使う予定のない余裕資金があれば、投資を検討する方法もあります。

 


まとめ


500万円を年7%の複利で3年間運用できれば、約613万円となり、計算上は100万円以上増えます。しかし、オルカンの運用成果は保証されるものではなく、大学入学時に元本割れしている可能性もあります。

 

今回のように使う時期が決まっている教育資金では、「3年間でいくら増えるか」よりも、「減った場合に学費を支払えるか」を優先して考えることが大切です。夫婦で必要な教育費と家計の余裕を確認し、預金と投資を適切に使い分けましょう。

 

執筆者 : 三浦大幸

2級ファイナンシャルプランニング技能士/ITパスポート/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 大学進学費用「500万円」を、妻が「オルカンで年7%なら3年でも100万円増える」といいますが、子どもはもう15歳…あと3年なら“暴落しても回復できない”ですし「預金のほうが安心」ですよね? 」