祖父が孫の大学4年分の費用として「400万円」をまとめて渡すと言っています。一括で渡しても、「教育費」なら贈与税は課税されないのでしょうか?
祖父母による大学費用の支援に贈与税はかかる?
大学費用を支援してもらった場合、課税対象になるか否かは状況によって異なります。課税対象だった場合の申告、納税忘れを防ぐためにも、課税条件は理解しておきましょう。
必要になるたびにお金をもらっていた場合
入学時や教材を購入するとき、留学するときなど、必要なときに必要な金額をその都度渡している場合は、非課税になる可能性があります。国税庁によると、扶養義務者から生活費や教育費のため、必要になったタイミングで、その都度必要な金額の範囲内でお金を渡している場合は、非課税になると示されているためです。
ただし、非課税となるのは、必要な金額の範囲で受け取った場合に限られます。例えば、入学金などで大学入学時に合計150万円必要なときに400万円を渡すと、必要以上に渡していると判断されて課税対象になる可能性があるため注意が必要です。
税金負担をおさえたい場合は、一度に支援を受けるのではなく、受け取るタイミングで必要な金額内におさえるように伝えておくとよいでしょう。
まとめてお金をもらった場合
まとめてお金をもらった場合、贈与税の基礎控除「110万円」を超えていると課税対象です。その年の贈与合計額から110万円を差し引き、税率をかけて税額を求めます。
今回は、次の条件で贈与税額がいくらになるか試算しましょう。
・一括で400万円を受け取る
・同じ年にほかの人から贈与は受け取っていない
今回のケースでは、400万円から110万円を差し引くため、290万円に対して贈与税が課されます。このとき、税率は15%、控除額は10万円のため、納付すべき贈与税額は33万5000円です。
ただし、贈与税額の計算は、同じ年に受け取った課税対象となる贈与をすべて合計してから行います。そのため、400万円以外に贈与を受け取っている場合の贈与税額は、試算額よりも高くなるでしょう。
教育資金の一括贈与制度はどうなった?
一括贈与制度は、教育資金の支援としてまとめて祖父母や両親といった直系尊属から受け取った場合に非課税で贈与できる制度です。この制度では、一括贈与のための契約締結時点で30歳未満の人が、直系尊属から教育資金の贈与を受け、金融機関で所定の手続きを踏むと、最大1500万円までが非課税となりました。
しかし、この制度は令和8年3月31日で終了しています。
今から制度を利用した一括贈与はできません。そのため、まとめて大学資金を支援すると、基礎控除を超えていれば基本的に課税対象となります。
ただし、令和8年3月31日までにすでに一括贈与制度を利用してお金を受け取っている場合、その金額分については、一括贈与制度が適用されます。
教育資金を支援するときの注意点
孫の教育費を、必要になるたびに渡し非課税にしたい場合は、孫にもその旨をしっかり伝えておきましょう。教育資金をその都度渡した場合で、非課税になるのは必要な金額かつ、そのお金が教育費目的で使用されたときです。
孫が受け取ったお金を貯金や遊びのためのお金に回した場合は教育費の支援と判断されず、状況によっては課税対象になる可能性があるため注意が必要です。
教育費であっても一括贈与は課税対象になる可能性がある
教育費を支援した際、非課税となるのはそのとき必要な金額、必要なタイミング、そして受け取ったお金を教育費目的で使用した場合です。一括贈与すると、これらの条件のうち「必要な金額」を満たさなくなる場合があるため、課税される可能性があります。
また、教育資金の一括贈与制度は令和8年3月31日で終了しました。そのため、非課税で教育費を渡したい場合は、必要になったタイミングで、必要な金額の範囲で渡すことが大切です。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー