年収「500万円」の夫が50歳で亡くなり、わが家の収入が激減…。私もパートで「年150万円」稼いでいますが、子どもとの生活を考えると不安です。自分に収入があっても、“遺族年金”は受け取れるのでしょうか?
収入が850万円未満であれば扶養内・扶養外関係なく遺族年金は支給される
日本年金機構によると、遺族年金の受給には、亡くなった方に生計を維持されていたことが必要です。
生計維持として認められるのは、「生計を同じくしていること」と、「前年の収入が850万円未満または所得が655万5000円未満であること」の両方を満たす場合です。別居していても、仕送りを受けている場合などは生計が同じと認められることがあります。
相談者は年収150万円なので、収入の要件は満たしています。亡くなった夫が保険料の納付要件などを満たし、18歳になった年度の3月31日までの子がいれば、遺族基礎年金を受け取れます。夫が厚生年金に加入していれば、遺族厚生年金もあわせて受け取れます。
遺族年金の金額は故人の給与や加入期間などによって決まる
遺族厚生年金は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。報酬比例部分は以下のように計算されます。
・平成15年3月以前の加入期間
平均標準報酬月額×(7.125÷1000)×平成15年3月までの加入月数
・平成15年4月以降の加入期間
平均標準報酬額×(5.481÷1000)×平成15年4月以降の加入月数
夫の年収を500万円(ボーナスなし)、厚生年金の加入期間を28年とすると、報酬比例部分は約80万8400円、遺族厚生年金は年額約60万6300円です。遺族基礎年金は、配偶者の生年月日と子の人数によって決まります。
令和8年度において、昭和31年4月2日以後生まれの配偶者が子ども1人を養育する場合、年額は84万7300円に子の加算額24万3800円を加えた109万1100円です。したがって、両方を受給できる場合、合計は年額約169万7400円となります。
扶養から外れることで起きる年金面のメリット・デメリット
勤務先の社会保険に加入しない場合、国民健康保険や国民年金の保険料負担が生じるかもしれません。
扶養から外れて年収150万円で働いている場合、勤務先の健康保険・厚生年金に加入しているか、自分で国民健康保険・国民年金に加入しているかのどちらかです。国民健康保険・国民年金の場合は、保険料を自分で負担します。
ただし、一定の条件を満たせば、国民年金保険料の免除・納付猶予制度を利用できます。
一方、全国健康保険協会(協会けんぽ)によると、勤務先の社会保険に加入すると、病気やけがで仕事を休んだ際に傷病手当金を受け取れる場合があります。また、厚生年金に加入することで、将来の老齢年金が増える可能性があるほか、一定の要件を満たせば障害厚生年金も受給できます。
さらに、夫が亡くなった年から、所得税のひとり親控除(35万円)の対象になる場合があります。国税庁によると、その年の12月31日時点で婚姻をしておらず、生計を一にする子がいて、本人の合計所得金額が500万円以下であることなどが要件です。
まとめ
遺族年金は、社会保険の扶養から外れていても、収入などの要件を満たせば受け取れる場合があります。
金額は亡くなった方の給与や加入期間、子どもの人数などによって異なります。保険料の負担だけでなく、万一の保障や将来の年金も踏まえ、自分に合った働き方を考えてみましょう。
出典
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 さ行 生計維持
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 は行 報酬比例部分
全国健康保険協会(協会けんぽ)
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額
国税庁 【確定申告書等作成コーナー】年の中途で控除対象配偶者が死亡した場合
国税庁 No.1171 ひとり親控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー