ボールを当てて車を傷つければ、原則は損害賠償の問題


民法709条では、故意または過失により他人へ損害を与えた場合、損害賠償責任が生じるとされています。公園でボール遊びをしていて、注意不足によって駐車中の車へボールを当て、傷を付けたのであれば、修理費について賠償責任が問題になります。

 

ただし、子どもの場合は年齢や理解力によって、自分の行為の責任を認識できる「責任能力」があるかが問題になります。責任能力がない場合には、一定の条件のもとで保護者など監督義務者の責任が問題になります。

 


親が必ず7万円全額を払う、とも限らない


民法714条では、責任能力のない人が他人に損害を与えた場合、その監督義務者が原則として賠償責任を負う仕組みがあります。ただし、監督義務を怠らなかった場合などには責任を負わないこともあります。

 

また、子どもに責任能力がある年齢であれば、子ども本人の不法行為責任が問題になることもあります。実際のトラブルでは、子どもの年齢、遊び方、公園のルール、親の監督状況などを含めて判断されます。

 


「公園のそばに停めた」だけで過失になるわけではない


相手の親がいう「公園のそばに停めた側にも責任がある」という主張が常に認められるわけではありません。正規の駐車スペースに通常どおり停めていた車まで、「ボールが飛んでくる可能性を承知していたはず」として当然に負担を求められるわけではないでしょう。

 

一方、ボール遊びが盛んな場所のすぐ横に、駐車禁止場所へ違法・危険な状態で車を停めていたなど、被害の発生や拡大について車側にも落ち度があれば、過失相殺が問題になる可能性があります。

 


過失相殺では、被害者側の落ち度も考慮される


民法722条は、損害賠償額を決める際に被害者側の過失を考慮できるとしています。例えば7万円の損害について車側にも一定の過失が認められれば、相手側が負担する額が減る可能性があります。

 

ただし、「公園の近くだった」という理由だけで何割減る、といった決まった割合があるわけではありません。駐車場所が適法だったか、ボール遊びが禁止されていたか、フェンスの有無、子どもの遊び方など具体的な事情で変わります。

 


修理費7万円を求めるなら、事故直後の記録が重要


請求を検討するなら、まず車の傷を写真で残し、修理店の見積書を取ります。可能ならボールが当たった場面を見た人や、防犯カメラの有無も確認しましょう。相手側がボールを当てた事実を認めているなら、そのやり取りも記録しておくとよいでしょう。

 

また、自動車保険や個人賠償責任保険が使えるケースもあります。相手の家庭が火災保険などに付帯する個人賠償責任特約へ加入していれば、保険会社を通じて対応できることがあります。

 


まとめ


公園で遊んでいた子どものボールが車に当たり、7万円の修理費が生じた場合、相手側に損害賠償を求められる可能性があります。子どもの年齢によっては、保護者の監督責任が問題になることもあります。

 

一方、車側にも事故の発生や損害拡大につながる落ち度があれば、過失相殺により全額請求できない可能性があります。

 

ただし、「公園のそばに駐車していた」というだけで直ちに車側にも責任が生じるわけではありません。駐車場所、遊び方、公園のルールなど具体的な事情を確認することが大切です。

 


出典


e-Gov法令検索 民法

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 公園で遊んでいた子どものボールが飛んできて、停めていた車に傷がつき修理費「7万円」。親からは「公園のそばに停めた方にも責任がある」と言われました…全額払ってもらうのは難しいのでしょうか? 」