連休初日に「数十台が出庫できない」事態に


2026年9月19日、X(旧Twitter)で「連休初日に、契約している立体駐車場で事故が起き、車を一切出せなくなった」という投稿が話題になりました。投稿者によると、契約サイズに合わない車が入庫され、動いたパレットが車にぶつかって装置が緊急停止したといいます。

 

ほかの数十台が出庫できなくなり、管理会社も休みだったため、投稿者自身が関係各所への連絡や警察への通報を担い、予定が2時間遅れたそうです。

 

SNSでは「契約したサイズぐらい認識しとけ」「気の毒すぎ」「ハイルーフ車は免許制にすべき」という声や、「予定狂った方々への賠償もしてもらわないと」という声が上がりました。

 


違反して入庫した人には損害賠償を請求できる可能性がある


足止めされた利用者と違反して入庫した人の間に契約関係はないため、請求の根拠は民法709条の「不法行為」になります。故意または過失によってほかの人の権利や利益を侵害した人は、生じた損害を賠償する責任を負います。

 

契約サイズを超える車を入庫させて装置を止めた場合、過失があったと判断される可能性は高いでしょう。請求できる損害には、代わりに使ったタクシー代やレンタカー代、予約のキャンセル料などが考えられます。

 

ただし、賠償の対象はトラブルと相当因果関係がある損害に限られるのが一般的です。実際に支払った交通費などは主張しやすい一方、精神的な損害まで認められるかどうかは状況によって判断が分かれるでしょう。

 


駐車場の貸主に「使えなかった分」の料金減額を求められる可能性も


月極駐車場の契約は、一般に駐車スペースを借りる賃貸借契約と考えられます。民法611条では、借りている物の一部が借り手の責任によらず使えなくなった場合、賃料は使えなくなった割合に応じて減額されると定められています。

 

例えば、月額2万円の駐車場を丸1日使えなかった場合、1ヶ月を30日として日割り計算すると、減額の目安は約667円です。数時間の足止めであれば多くとも数百円ほどにとどまります。上記金額は一例であり、実際の金額は駐車料金や使えなかった時間によって異なります。

 

また、緊急時の連絡体制が機能せず長時間放置されたなど、管理会社の対応に問題があった場合は、「債務不履行」として損害賠償を求められる可能性もあります(民法415条)。

 

約款に「一切責任を負わない」といった規定があっても、消費者契約法8条では、事業者の債務不履行による損害賠償責任の全部を免除する条項は無効とされています。

 


請求に備えて残しておきたい証拠


請求するときは、損害が発生したことと、その金額を示す証拠が重要です。次のような記録を残しておきましょう。






・停止した装置や現場の状況が分かる写真や動画

・管理会社や警察へ連絡した日時、担当者名

・タクシーやレンタカーの領収書、キャンセル料の明細




話し合いで解決しない場合は、60万円以下の金銭の支払いを求める「少額訴訟」という手続きもあります。

 

原則として1回の審理で紛争の解決を図る手続きで、裁判所に納める申立手数料は、請求額が10万円までの場合、電子申立てなら2400円、書面申立てなら3500円です。管理会社との交渉で困ったときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、身近な消費生活相談窓口を案内してもらえます。

 


まとめ


機械式の立体駐車場では、1台のサイズオーバー入庫が、ほかの利用者全員の足止めにつながることがあります。その場合、違反して入庫した人には損害賠償を、駐車場の貸主には駐車料金の減額を求められる可能性があります。

 

いざというときに備えて記録は必ず残し、自分が利用する際も契約したサイズを改めて確認しておきましょう。

 

執筆者 : 上野梓

FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 立体駐車場に“ハイルーフ車”が入庫→機械が止まり「出庫できない車」が続出し“警察”まで呼ぶ事態に…SNSでは「サイズぐらい認識しとけ」「賠償してもらわないと」の声も、実際“足止めされた側”は誰に請求できる? 」