生活保護費から預金をしてもよい?


生活保護を受けるには、資産や能力などあらゆるものを活用したり、親族などの援助を受けたりしたうえで、収入が最低生活費を下回っていることが条件です。預貯金がある場合は、生活費に充てることが求められます。

 

しかし、生活保護受給中の貯金が法律や規則で禁止されているわけではありません。厚生労働省が公表している「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」では、生活保護受給中の預貯金の取り扱いについて示されています。

 

具体的には、保護開始時から持っていたものではなく、収入の未申告などの不正な手段で蓄えたものでもない場合、すでに支給された保護費のやり繰りで生じた預貯金については、その使用目的を確認したうえで、生活保護の趣旨や目的に反しないと認められる場合、保有を認めても差し支えないとされています。

 

生活保護を受けながら節約して蓄える場合であれば、預金が認められる可能性があります。

 


いくら貯まると保護は止まる?


生活保護費は、厚生労働大臣が定める基準で計算される「最低生活費」を収入が下回っている場合に支給されます。支給される額は「最低生活費-収入」となるため、世帯によって異なります。

 

そのため、預金の額が大きくなると「保護費の額が減るのではないか?」「保護自体が止まるのではないか?」と心配になることもあるでしょう。

 

預金の上限額については、国として一律の上限額は示されていません。自治体によっては、具体的な金額や目安が明示されていることもあるようです。今回のケースでは「預金が50万円貯まった」ということですが、自分の預金が認められる範囲かどうかは、担当のケースワーカーに確認しましょう。

 

また「いくら貯まったか」よりも「何のために貯めたお金か」が重要な判断材料になることもあります。

 

「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」にも、使用目的が生活保護の趣旨目的に反すると認められる場合には、最低生活の維持のために活用すべき資産とみなさざるを得ないと判断され、収入として認定されたり、保護の停止または廃止を行ったりする旨が記載されています。

 


未申告の収入による預金との違いは?


「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」に記載されている「不正な手段により蓄えられたもの」には、未申告の収入による預金も含まれます。

 

保護費を節約して貯めた預金ではなく、未申告の収入による預金がある場合は、生活保護費の不正受給に該当する可能性があります。その場合は、受け取った保護費を一定の範囲内で福祉事務所に返還しなければなりません。

 

また、不正な手段で保護を受けた場合は、生活保護法第85条に基づき、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処されるおそれがあります。

 

そのようなことにならないよう、収入があった際には担当のケースワーカーに報告し、預金についても問題のない範囲であるか定期的に確認しておくとよいでしょう。

 


保護費への影響はケースワーカーに確認を


生活保護受給中も一定の条件を満たしていれば、保護費を節約して預金をすることが可能な場合があります。

 

預金の上限額については統一された基準はないため、自治体のホームページなどで具体的な金額や目安となる金額が明示されていないか確認しましょう。

 

保護費を節約して貯めた預金ではなく未申告の収入による預金がある場合は、生活保護費の不正受給とみなされ、罰則の対象になることもあります。そのようなことにならないよう、早めに担当のケースワーカーに相談することをおすすめします。

 


出典


厚生労働省 生活保護・福祉一般 生活保護制度

厚生労働省 生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて 第3 問18

恵庭市 生活保護 生活保護費の不正受給対策について

デジタル庁e-GOV法令検索 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第十三章 雑則(罰則)第八十五条

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 生活保護を受けながら節約し、「50万円」貯まりました。預金が増えると、保護費は減額・停止されるのでしょうか? 」