定価を超える価格での転売は違法? 罰則が科されるケースとは


チケットの売買でまず知っておきたいのが、2019年6月14日から施行されている「チケット不正転売禁止法」です。この法律では、興行主の同意を得ず、利益を得る目的で反復継続して、定価を超える価格でチケットを転売する行為を禁止しています。

 

もしこの法律に違反して不正転売を行ったり、不正転売目的でチケットを譲り受けたりした場合、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されることになります。法律の対象となる「特定興行入場券」の要素は、次の3つです。






(1)興行主の同意なく有償譲渡することを禁止する旨が券面や電子画面に記載されていること

(2)興行の日時や場所、座席または入場資格者が指定されていること

(3)座席が指定されている場合、購入者の氏名や連絡先を確認する措置が講じられ、その旨がチケットの券面に記載されていること




一方で、招待券などの無料チケットや、転売禁止の記載がないもの、日時指定がないチケットなどは対象外となります。「特定興行入場券」に該当する場合は、転売に関する法律上の規制を確認する必要があります。

 


実質的な利益なしならOK? 実費程度の手数料上乗せと価格のルール


「定価より高く買ったら不正転売になるのか」という疑問ですが、ポイントは「販売価格を超える価格で利益を得ようとしているか」という点です。

 

チケットを購入した際に実際に支払ったプレイガイドの発券手数料やシステム利用料など、購入にかかった実費分を定価に上乗せして受け取る程度であれば、利益を得ているわけではないため、法律上の不正転売には該当しないと考えられます。

 

例えば、定価9000円のチケットに、発券手数料などの実費500円を加算して9500円で譲り受けるような取引は、営利目的の転売とはみなされないでしょう。

 

ただし、実際にかかった手数料を大幅に上回る金額が上乗せされているなど、利益目的の高額転売が疑われる場合は、違法な取引に該当する可能性があるため、購入前に注意が必要です。

 


個人間やり取りのリスクと公式リセールで返金保証を守る方法


手数料分の上乗せ程度であれば違法にならない可能性が高いとはいえ、友人との個人間取引やSNS・オークションサイトを経由した譲渡には別のリスクが潜んでいます。

 

主なトラブルのひとつとして、購入したチケットで会場に入場できないケースが挙げられます。興行主によっては転売や譲渡そのものを一律で禁止しており、当日に本人確認が行われた結果、転売されたチケットであると指摘されて入場を断られてしまうことがあります。

 

また、万が一イベントが中止や延期になった際のお金の問題も重要です。ネットオークションなどで定価9000円のチケットを2万円などの高額で購入していた場合、公演中止による興行主からの払い戻しは定価の9000円分しか行われません。

 

個人間取引では返金の取り決めがなされていないことが多く、差額の1万1000円分は損をしてしまうことになります。さらに、お金だけ振り込ませてチケットを送らないといった詐欺被害に遭う危険性もゼロではありません。

 

こうしたトラブルを避けるためには、興行主が公式に認めている「正規のリセールサイト」を利用することが有効です。公式リセールであれば、事前に興行主の同意を得ているため定価で安全に取引が行え、入場トラブルも起きません。

 

公演中止時の払い戻しや補償もきちんと受けられるため、お互いに安心して譲り渡しができます。

 


友人とのチケット売買は公式サービスの利用やルールの確認でトラブルを防ごう


友人からチケットを「定価+発券手数料」という実費相当の価格で譲り受ける行為自体は、利益を目的とした高額転売ではないため、チケット不正転売禁止法に抵触する可能性は低いと考えられます。

 

しかし、法律違反にならないからといってトラブルが起きないとは限りません。

 

公式のリセールサービスが用意されている場合は、多少の手数料がかかっても、公式サービスを通じて取引することで、売主・買主の双方が安心して取引しやすくなるでしょう。

 


出典


政府広報オンライン チケットの高額転売は禁止です!チケット不正転売禁止法

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 ライブに行けなくなった友人から、チケットを「定価+手数料」で譲ってもらうことに。夫は「定価より高く買ったら転売になるのでは?」と心配していますが、手数料分の上乗せでも“不正転売”になるのでしょうか? 」