NTT「1株140~160円」で買い続け“保有5000株”のタイミングで、1株「170円台」に! 今が売り時と思いきや“利益は約10万円”だけ…配当金のために「持ち続ける」べき? 値上がりの理由も確認
NTT株は2年あまり「1株140~160円」前後で推移していた
NTTは、2023年7月1日に1株を25株に分ける株式分割を行い、1株あたりの価格が下がりました。分割後の株価の動きは、図表1のとおりです。
図表1
Yahoo!ファイナンス NTT(株)【9432】:株価チャートより筆者作成
Yahoo!ファイナンスによると、月末の終値(その日の取引で最後に付いた株価)は、2024年5月から2026年7月まで144.7~160.4円の範囲で推移していました。
その後、株価は2026年8月から上がり始めました。月末の終値で見ると、8月末は172.5円と、2024年4月以来の170円台となりました。
NTTの「株価情報」によると、直近の10月23日には一時181.3円を付け、同日の終値は174.8円でした。ここ2年あまりの株価と比べると、170円台は高めの水準といえます。
5000株を170円で売ると利益は約10万円
平均取得単価(買った価格の平均)は人によって異なりますが、ここでは140~160円で買い続けた結果、平均150円と仮定して計算します。
この場合、5000株の購入金額は75万円です。170円ですべて売却すると売却額は85万円となり、手数料を考えなければ10万円の利益が出ます。
特定口座などの課税口座で売却した場合、上場株式の売却益には20.315%の税金がかかります。10万円の利益にかかる税金は約2万円で、手元に残るのは約8万円です(筆者計算)。
NISA口座なら売却益は非課税なので、10万円がそのまま利益になります。また、売った株の購入金額分の非課税枠は、翌年以降に再び使えるようになります。
持ち続ける場合の配当金は年2万7000円の見込み
NTTによると、2026年度(2027年3月期)の配当金は1株あたり年5.4円の予定です。実現すれば、16期連続で配当金が増えることになります。
5000株の場合、1年間の配当金は税引前で2万7000円です。課税口座では配当金にも20.315%の税金がかかるため、手取りは約2万1500円となります。
NISA口座なら配当金も非課税ですが、そのためには受取方法を「株式数比例配分方式」(証券会社の口座で受け取る方法)にしておく必要があります。
今売った場合の利益10万円は、年間の配当金(税引前)のおよそ3.7年分です。株価が150円前後まで下がれば、含み益(まだ確定していない利益)はほぼなくなりますが、持ち続けている間は配当金を受け取れます。
なお、NTTは100株以上を一定期間続けて保有している株主に、保有期間に応じてdポイントを進呈しています。全株を売却すると、その後に買い直しても保有期間を一から数え直すことになる場合があるため、注意が必要です。
売却と保有のどちらにも魅力を感じるなら、一部だけを売る方法もあります。例えば、半分の2500株を売れば、5万円の利益を確定させながら、年1万3500円(税引前)の配当金を受け取り続けられる計算です。
170円台まで上がった理由と、今後の株価を左右するポイント
NTT株は、中東情勢の先行きが見通しにくいなか、景気や海外の動きに左右されにくい「ディフェンシブ株」として買われたとみられています。
加えて、子会社のNTTドコモが携帯電話料金の値上げを発表し、業績改善への期待が高まったことも、株価を押し上げたとされています。
NTTドコモの料金プランの価格改定は、2026年12月1日に実施される予定です。
今後の注目点としては、データセンターや人工知能(AI)関連事業の成長が挙げられています。ただし、値上げで利用者が他社へ移るおそれもあり、業績の改善が見込みどおりに進むかは分かりません。
株価は、業績や相場全体の動きによって変わり、140~160円前後に戻る可能性も、さらに上がる可能性もあります。そのため、売り時を見極めるのは難しく、お金の使い道や投資の目的を基準に考えることが大切です。
売るか持ち続けるかは、お金の使い道と目的で考えよう
NTT株は、2年あまり1株140~160円前後で推移していましたが、2026年9月以降はおおむね170円台で取引されています。平均取得単価150円で5000株を持つ場合、170円で売ると利益は10万円、課税口座なら手取りは約8万円です。
持ち続ければ、年2万7000円(税引前)の配当金が見込めます。お金の使い道や目的に合わせて、一部だけ売る方法も含めて検討しましょう。
出典
NTT株式会社 株価情報
NTT株式会社 株主還元(配当・自己株式取得)
国税庁 No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)
国税庁 No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)
執筆者 : 金子賢司
CFP