収入が減ったらすぐに住民税非課税世帯になれる?


住民税の税額を計算するのは前年の1月から12月までの収入を基に計算され、6月から翌年5月まで徴収されています。

 

住民税は、「所得割」と「均等割」の2種類があり、「所得割」は、前年の課税所得(年収から各種控除をした後の額)に都道府県民税4%と市町村民税6%合わせて10%が課税されています。

 

「均等割」は、所得に関係なく一律で、都道府県民税1000円と市町村民税3000円が課税されています。令和6年度からは、森林環境税1000円が課税され、合わせて5000円となっています。

 

均等割は、所得金額≦35万円×世帯人数+10万円+21万円※

所得割は、所得金額≦35万円×世帯人数+10万円+32万円※

を上回ると課税対象となります。

 

夫婦と子ども1人で、配偶者と子どもが扶養されている場合には、所得金額が136万円以下の場合に住民税非課税世帯となります。

 

このように、住民税は前年の年収の額によって決定されるため、離職をして失業状態になったとしても前年の多い収入で計算された住民税が課税されることになります。

 

※控除対象配偶者または扶養親族を有する場合に加算

 


住民税だけではない社会保険料


前年の収入を基に計算される制度には、住民税だけではなく国民健康保険料もあります。

 

健康保険は失業した場合に、退職前の健康保険に最長2年間加入できる「任意継続」や、自営業などが加入する「国民健康保険」か「家族の加入する健康保険制度の扶養」になるか選択することができます。

 

国民健康保険に加入する場合は、前年の所得などを基に計算した保険料を納付することになります。住民税と同様に前年の所得を基に保険料が計算されるので、失業中で収入が大きく減少したとしても、納期が変わるまでは多くの支払いが必要になってきます。

 

自営業などが加入する「国民健康保険」に加入する場合で、自己都合ではなく、会社都合や雇止めで離職した場合には、国民健康保険料の負担が7割軽くなる「失業中の国民健康保険料軽減制度」というものがあります。

 


転ばぬ先の準備は常に必要


前述したように、収入が減少すると住民税や健康保険の納付額はすぐに減額になることはありません。

 

ファイナンシャル・プランナーとして、よくアドバイスをすることに、緊急予備資金を毎月の生活費の3~6か月分を用意しておきましょうと言います。

 

失業保険は待期期間が7日間あります。その待期期間が終了すると、退職理由が自己都合の場合は、原則として1か月の給付制限がかかります。ただし、退職日や離職理由によっては給付制限が異なる場合があります。

 

収入がなくなるときがあったとしても、毎日の食事代や水道光熱費など、支払いが必要なものがあるためです。

 

失業手当が離職前の収入より少なくなっても、緊急予備資金を取り崩すことで、再就職までの間の生活を維持することもできます。

 

住民税は前年の収入で決まりますが、その翌年に世帯の収入が失業手当だけだった場合には、失業手当は課税対象にならないため、住民税非課税世帯になる可能性は高くなります。

 

しかし、すぐに支出を抑えたい場合は、前述の「失業中の国民健康保険料軽減制度」の申請が可能であれば申請を行いましょう。

 

また厚生年金から国民年金になった時には、「特例免除」の免除申請を行うことも考えられます。

 

自治体では住民税の減免を行っているところがありますが、自治体によって適用要件や申請方法が異なりますので、自治体に確認してみることをお勧めします。

 


まとめ


住民税は前年1月から12月の収入を基に、6月から翌年5月まで徴収される制度となっていますので、退職をして失業手当を受け取っていたとしても税額がすぐに減ることはありません。また住民税同様に国民健康保険料も前年の所得などによって納付額が決まります。

 

ただ自治体に申請を行うことによって減免となる可能性もあります。自治体によって減免の条件や手続き方法などが異なりますので、確認してみましょう。

 

ファイナンシャル・プランナーがアドバイスをする場合に、「緊急予備資金を生活費の3~6か月分は準備しましょう。」とよく言います。収入減となった時にも慌てることなく、対応することが可能になることが考えられます。

 


参照


総務省:個人住民税

 

執筆者 : 吉野裕一

夢実現プランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 夫が退職して現在は失業保険を受給中。収入がかなり減っています。住民税非課税世帯になれますか? どのくらいの収入で非課税世帯になりますか? 」