自宅のテレビでBSは映りますが、わが家ではまったく見ません。夫は「見ないならNHKは地上契約だけでいい」と言いますが、本当でしょうか? 年間の受信料の差も確認
NHKの「地上契約」と「衛星契約」の違い
NHKとの受信契約は、自宅に置いている受信機でどの放送を受けられるかによって、種類が分かれます。
・地上契約:地上放送だけを受けられるテレビなどを置いている場合
・衛星契約:地上放送に加えて、BSなどの衛星放送も受けられるテレビなどを置いている場合
衛星契約の受信料には地上放送の分も含まれているため、衛星契約を結んでいれば、地上契約を別に結ぶ必要はありません。
BSを一度も見なくても衛星契約が必要?
夫の考え方は、契約の種類を「見るかどうか」で決めようとしている点で、制度の考え方とずれています。受信契約の種類を決めるのは、「実際に視聴しているか」ではなく、「受信できる設備を置いているか」だからです。
今回の家庭ではテレビでBSが映るため、衛星放送を受けられる設備がそろっていることになります。家族が一度もBSを見ていなくても、結ぶべき契約は衛星契約です。
受信契約を結ぶ義務の根拠は「放送法」の第64条第1項です。同法では「特定受信設備を設置した者」は、「協会と受信契約を締結しなければならない」と明記しています。
正当な理由がないのに受信契約の申込みをしない場合、受信料の2倍に相当する額の「割増金」を求められるかもしれません。地上契約を結んでいる世帯が、新たにBSを受けられるテレビを置いた場合も、期限までに衛星契約への変更を申し込む必要があります。
受信料は年間いくら違う?
NHKの地上契約および衛星契約の受信料を表1にまとめました。括弧内は2ヶ月あたりの金額を表しています。
表1
| 衛星契約 | 地上契約 | 衛星契約と地上契約の差額 | |
|---|---|---|---|
| 2ヶ月払い | 3900円 | 2200円 | 1700円 |
| 6ヶ月払い | 1万1186円 (約3729円) | 6309円 (2103円) | 4877円 (約1626円) |
| 12ヶ月払い | 2万1765円 (約3628円) | 1万2276円 (2046円) | 9489円 (約1582円) |
出典:日本放送協会 NHK受信料の窓口「NHKの料金」を基に筆者作成
受信料は、まとめて前払いするほど割安になる仕組みです。夫の主張の通り地上契約だけで済むなら、1年あたりの負担は12ヶ月払いで9489円、2ヶ月払いで1万200円軽くなる計算です。
反対に、衛星契約のままでも払い方を見直す余地はあるでしょう。2ヶ月払いを1年続けると3900円×6回で2万3400円ですが、12ヶ月前払いにすれば2万1765円となり、1635円安くなります。
なお、沖縄県は料金が別に定められているほか、家族割引や団体一括割引といった割引制度もあります。
地上契約のみにする方法はある?
BSのチューナーを内蔵したテレビにアンテナからの電波が届いている限り、見ていなくても衛星契約の対象です。地上契約にしたいなら、物理的にBSが映らない状態にする必要があります。
具体的には、ベランダや屋根のBSアンテナを撤去するなどして、衛星放送を受信できない環境にする方法が考えられます。ただし、配線の知識が必要になるうえ、集合住宅では共用設備に手を加えられないこともあるため、現実的とはいえない場合もあるでしょう。
もうひとつは、今のテレビをチューナーのない「チューナーレステレビ」に買い替える方法です。チューナーレステレビは、そのままでは地上波もBSも映りません。地上波だけを見たい場合は、外付けの地デジ専用チューナーをつなげば視聴できます。
なお、BSが映るテレビを別の部屋に残していると、衛星契約が必要なままになる点にも注意しましょう。受信環境を変えた後は、NHKに契約の変更を届け出る必要があります。地上契約の料金になるのは、届け出た月の分からです。
BSを見ない家庭でも映る環境なら衛星契約が必要
夫の「見ないならNHKは地上契約だけでいい」という考えは、BSが映る環境のままでは当てはまりません。契約の種類は、見ているかどうかではなく、受信できる設備があるかどうかで決まるためです。
年間の受信料は、地上契約の方が9489円~1万200円安くなります。ただし地上契約に切り替えるには、BSアンテナを撤去するか、チューナーレステレビと地デジ専用チューナーを組み合わせるなどして、衛星放送を受けられない環境に変える必要があります。
出典
日本放送協会 NHK受信料の窓口 NHKの料金 NHKの受信料はいくら?そうした疑問にお答えします。
デジタル庁 e-GOV法令検索 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号) 第三章 日本放送協会 第六節 受信料等 (受信契約及び受信料)第六十四条
日本放送協会 NHK受信料の窓口 受信料の割増金制度について
日本放送協会 NHK受信料の窓口 日本放送協会受信規約
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー