子どもが3人いますが長男は来春大学を卒業し就職する予定です。次男の「大学授業料無償化」は途中で対象外になるのでしょうか?
多子世帯の大学授業料等無償化とは
多子世帯の大学授業料等無償化とは、子どもが3人以上いる世帯向けの支援制度です。ほかの条件を満たしていれば、所得に関係なく利用できます。
文部科学省によると、支援制度による支援額の上限は、私立大学の場合で授業料が年間70万円、入学金が26万円です。例えば、4年制私立大学に進学した場合、「70万円×4年+26万円」で合計306万円の支援を受けられる可能性があります。
令和8年4月から新たに入学する子どもだけでなく、令和8年4月時点で以前から大学に在籍している子どもも対象です。また、対象となるのは親に扶養されている子どもが3人以上いる場合です。
文部科学省では、本制度における扶養されている状態を「家族や親族から経済的な支援を受けることであり、自治体へ納税する際に扶養する人数としてカウントされている」人物と定義しています。
そのため、子どもが3人おり、全員が学生かつ大学生がいる状態でも、扶養されていない子どもがいると、対象外になる可能性があります。
上の子が就職したとき、下の子の支援はどうなる?
先述したように、支援制度は扶養されている子どもが3人以上いることが条件です。子どもが3人おり、上の子どもが就職して一定額以上の収入を得ている場合、扶養から外れるでしょう。すると、扶養されている子どもは2人となるため、支援制度の対象外になる可能性があります。
ただし、必ずしも就職してすぐに対象外になるわけではありません。文部科学省によると、支援制度は毎年10月に、前年12月31日の扶養状況を基に、対象か否かを判断します。
今回のケースのように、長男が令和9年3月に卒業して4月に就職し、令和9年12月31日時点で扶養から外れたとします。この場合、令和10年9月までは扶養されている子どもが3人だと判定され、次男は制度を利用できるでしょう。
その後は、支援制度の対象外となる可能性があります。多子世帯の授業料等無償化が対象外になった場合は、通常の所得に応じて受けられる支援制度や、奨学金の利用などの検討が必要です。
支援制度を利用するときの注意点
多子世帯の大学授業料等無償化は、申請しないと利用できません。高校3年生の時点で申請する場合は「予約採用」、大学進学後では「在学採用」で申し込みましょう。基本的な申請の流れは次の通りです。
(1)高校3年生に進級後、在籍する高校で申し込みに必要な関係書類などを受け取る。在学採用の場合は、大学の学生窓口へ行って書類などを受け取る。
(2)各学校が定めた期限までに申し込みサイトから必要な情報を記入し、マイナンバーを登録する。必要な場合は学校に確認書類を提出する。
(3)日本学生支援機構へ確認書類を提出する。
(4)申請内容を基に選考が行われ結果が届く。
(5)採用されていれば支援制度を利用できる。
また、支援制度は利用開始前だけでなく、利用開始後も毎年、学修意欲や成績を確認されます。単位の不足や授業への出席率の低さなどで学修意欲が低いと判断されると、支援が打ち切られる可能性があるため、注意しましょう。
上の子どもが扶養を外れることで対象外になる可能性はある
多子世帯の大学授業料等無償化制度は、扶養されている子どもが3人以上いる場合に、利用できる支援制度です。そのため、上の子どもが就職すると、途中から多子世帯向けの支援制度は利用できなくなる可能性があります。
ただし、上の子どもが就職してすぐに利用できなくなるわけではなく、基準とされる10月の時点で、前年の12月31日に扶養を外れている子どもがいると、対象外です。そのため、就職しても約1年半は制度の対象になる場合があります。
出典
文部科学省 令和7年度からの奨学金制度の改正(多子世帯の大学等の授業料等減免)に係るFAQ
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1180 扶養控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー