正社員の同僚から「住宅手当が月2万円出ている」と聞いて驚き! 契約社員の私は支給されず、年間で「24万円」もの差があります。仕事内容も転勤の可能性も同じなのに、雇用形態だけで差がついても問題ないのでしょうか?
10月1日のルール改正で何が変わった?
非正規雇用労働者の待遇に関するルールは「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」で定められています。第8条には「不合理な待遇の禁止」について記載されており、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間に不合理な格差を設けることは禁止されています。
この法律に関連するルールが、2026年10月1日に改正されました。
改正によって変更となる対象は「雇い入れ時の労働条件明示事項の追加」「同一労働同一賃金ガイドラインの改正」「雇用管理の改善等に関する措置の内容変更」の3点です。このうち「同一労働同一賃金ガイドラインの改正」では、次の手当・制度が追加されています。
●賞与・退職手当
●無事故手当
●家族手当
●住宅手当
●福利厚生施設
●病気休職
●夏季冬期休暇
●褒賞
今まで、契約社員など有期雇用労働者に支給されていなかった手当が支給されるようになる可能性があります。詳しく確認しておくとよいでしょう。
住宅手当も改正の対象に
今回のケースでは「正社員には毎月2万円の住宅手当が支給されるが、契約社員の自分には支給されない」ということなので、住宅手当に焦点を当てて見ていきましょう。
厚生労働省によると「転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるものである場合、正社員と同一の転居を伴う配置の変更があるパートタイム・有期雇用労働者には、正社員と同一の住宅手当を支給しなければならない」とのことです。
正社員と契約社員の仕事内容に違いがなく、転勤の可能性についても同じ条件であるとしましょう。その場合、今回のケースでの月2万円、年間にすると24万円もの待遇差は不合理と判断される場合もあるかもしれません。
「転居を伴う配置変更」も重要な判断要素の1つ
契約社員にのみ住宅手当の支給がない場合の待遇差について、不合理かどうかを判断するポイントの1つに「転居を伴う配置変更があるかどうか」が挙げられます。
もし、転居を伴う転勤が正社員のみにあり、契約社員にはない場合であれば、契約社員に住宅手当の支給がなくても「不合理な待遇差」とは認められない可能性があります。
また、正社員にも契約社員にも転居を伴う転勤の可能性がないにもかかわらず、雇用形態の違いだけで住宅手当が支給されない場合は、不合理と判断されやすいと考えられます。
契約社員に住宅手当が支給されないことが不合理と判断できる可能性があるときは、支給されない理由を説明してもらうよう企業に求めることが可能です。企業は資料を交付するなど、工夫して説明する必要があります。
10月1日のルール改正で契約社員にも住宅手当が支給されるようになる可能性がある
法律では、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間に不合理な待遇差が生まれることが禁止されています。
2026年10月1日にはルールが改正され、住宅手当に関する内容が追加になりました。正社員と契約社員の仕事内容に違いがなく、転勤の可能性についても同じ条件である場合、契約社員にのみ住宅手当が支給されないことは「不合理」と判断される可能性があります。
条件に当てはまっているにもかかわらず、10月1日以降も住宅手当が支給されない場合は、企業に説明を求めることを検討してみましょう。
出典
デジタル庁e-GOV法令検索 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成五年法律第七十六号) 第三章 短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等 第一節 雇用管理の改善等に関する措置 (不合理な待遇の禁止)第八条
厚生労働省 同一労働同一賃金特集ページ リーフレット「パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが変わります」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー