中古車を「150万円」で購入した数日後、エンジンに不具合が…。購入時に「現状渡しなので保証はありません」と説明されていましたが、購入してすぐでも修理代は自分で払うのでしょうか?
車両価格110万円に対して修理費が100万円以上? 「現状渡し」で購入した20代男性のトラブル事例
中古車を購入した直後にエンジンや足回りの不具合が見つかると、「高額な修理費用を全て自分で負担しなければならないのか」と不安になるものです。実際に、購入時の確認不足や販売店からの説明不足が原因で、納車直後に深刻な車両トラブルへ発展するケースが見られます。
東京都消費生活総合センターが公表した事例によると、20歳代の男性が欲しかった中古車をネットで見つけ、試乗を行わずに点検整備や保証のない「現状渡し」の条件で110万円を支払って購入したケースが報告されています。
この男性は購入後、エアコンのスイッチやサスペンションの故障、さらにはマフラーの破損に気付きました。ディーラーで点検を受けたところ、修理見積額はなんと100万円以上という高額な提示を受けたのです。
価格の安さに魅力を感じて現状渡しで契約した場合でも、走行に支障をきたすほどの重大な欠陥が見つかれば、納得できないと感じるのも無理はないでしょう。このようなトラブルに巻き込まれないためにも、購入時には契約内容や車両の状態を細かくチェックすることが欠かせません。
エンジン交換費は30万円から70万円が相場! 「保証外」と言われても販売店へ修理を要求できるケースとは
中古車の故障修理にかかる費用は、不具合の起きている部位によって大きく変動します。
国産車のエンジン本体を交換する場合の費用目安は約30万円から70万円程度であり、これに加えて20万円前後の工賃が必要になるとされています。マフラーの溶接修理だけでも約1万円、エアコン本体の交換となれば20万円以上の出費が必要です。
このように、修理代金が高額になる場合もあるため、販売店から「保証なしの現状販売だから自己責任」と言われたとしても、すぐに諦めず、契約内容や車の状態を確認することが大切です。
たとえ現状渡しで購入した場合であっても、走行に著しい支障が出るような重大な不具合が存在していたケースでは、法律に基づき販売店に対して無償での修理対応や損害賠償、場合によっては契約解除を要求できるかもしれません。
民法で定められている「契約不適合責任」により、引き渡された車の品質が契約内容に適合していない場合は、買主が修理や代金の減額などを請求できることがあります。
また、走行距離の改ざんや、車体の骨格部分に損傷が生じた修復歴を意図的に隠して販売していた場合などには、詐欺や錯誤を理由に契約を取り消せる可能性もあります。
支払総額の表示義務や契約不適合責任をチェック! 購入後のトラブルを防ぐ4つの確認ポイント
トラブルを未然に防ぎ、万が一不具合が発生した場合にも適切に対応できるよう、購入前に確認しておきたいポイントがあります。特に押さえておきたいのは、次の4点です。
・外装や内装、車体の下回り(フレームの損傷や修復歴の有無)およびタイヤやバッテリーといった消耗部品の状態
・定期点検記録簿や車検証の記載内容
・保証やアフターサービスの内容、トラブルが起きた際の対応基準
・実際に試乗して確認するエンジン音、動作、乗り心地
さらに費用面では、自動車公正競争規約により、支払総額(車両価格と諸費用を合わせた金額)を表示することが販売店に義務付けられています。車両価格には納車準備費用や手数料が含まれ、諸費用には最低限必要な登録料や税金、自賠責保険料などが含まれます。
一方でメンテナンスパックや任意保険料などのオプション費用は含まれないため、明細をしっかり確認しましょう。
購入直後の不具合は自己負担と決めつけず、正しいルールと知識で解決を目指そう
せっかく購入したマイカーが納車直後に故障すると落胆するものですが、「中古車だから」「保証なしで購入したから」といって、必ずしもすべての修理費用を自己負担する必要があるわけではありません。
中古車の売買にも買主を保護する法律上のルールがあり、走行に支障をきたす重大な不具合や重要な事実の不告知があった場合には、契約内容や具体的な事情によって、販売店に修理を求めたり、契約を解除したりできる可能性があります。
販売店との話し合いで解決が難しい場合は、消費生活センターなどの相談窓口を利用することもひとつの方法です。購入時の契約内容や不具合の状況を整理し、必要に応じて第三者に相談するなど、適切な対応を検討しましょう。
出典
東京都 My TOKYO 消費者注意情報 購入した中古車がすぐに故障した!~購入時の確認不足によるトラブルに注意~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー