有給休暇の日の賃金は、3つの決め方から会社が選んでいる


厚生労働省によると、年次有給休暇を取った日の賃金は、次の3つのいずれかの方法で支払う必要があります。






・平均賃金

・所定労働時間を働いた場合に支払われる通常の賃金

・健康保険法の標準報酬月額の30分の1に当たる金額(労使協定が必要)




どの方法を使うかは会社が決め、あらかじめ就業規則などに定めたうえで、その方法で支払わなければなりません。通常の賃金で払う会社なら、日給8000円の人は有休の日も8000円になります。

 

今回のケースで4800円になったのは、会社が平均賃金の方法を採用しているためと考えられます。平均賃金で払うこと自体は法律で認められており、違法ではありません。

 


平均賃金で計算すると、週3日のパートは1日4800円になる


平均賃金は、有給休暇を取った日の直前3ヶ月間に支払われた賃金総額を、その期間の暦日数で割って求める決まりです。休みの日も含めた日数で割るため、週3日勤務では1日あたりの額が小さくなります。

 

今回のケースでは、3ヶ月を92日、勤務日数を週3日×13週=39日として計算します。






・8000円×39日=31万2000円(3ヶ月の賃金総額)

・31万2000円÷92日=約3391円(暦の日数で割った平均賃金)




ただし、日給制や時間給制の人には最低保障の決まりが別にあるのです。神奈川労働局の説明では、賃金総額を労働日数で割った額の6割のほうが高い場合は、その額を平均賃金とします。

 

・31万2000円÷39日×0.6=4800円(最低保障額)

 

3391円より4800円のほうが高いため、有休1日あたりの賃金は4800円になります。






・8000円-4800円=3200円(1日あたりの差額)

・3200円×5日=1万6000円(5日取ったときの差額)




 


満額にしてもらえるのか、確かめる手順


まず、就業規則で有給休暇の日の賃金がどの方法と定められているかを確かめます。就業規則に平均賃金と書かれていれば、会社の計算は法律どおりで、支払いの不足を請求することはできません。

 

一方、就業規則に通常の賃金と書かれているのに4800円しか払われていないなら、差額の請求ができます。就業規則に定めがない場合も、どの方法で払うかを会社に説明してもらう必要があります。

 

平均賃金の方法を通常の賃金に変えるには、就業規則の変更が必要で、会社が応じるかどうかは会社の判断です。ただ、正社員が通常の賃金で払われているなら、パートだけ平均賃金にする理由を会社に確かめる価値はあります。

 

説明に納得できないときは、労働基準監督署や都道府県労働局の相談窓口を使うとよいでしょう。

 


まとめ


今回のケースでは、週3日・日給8000円のパート勤務者が有休を5日取った際、1日4800円の支払いで、日給8000円での計算より1万6000円少なくなりました。

 

有休の日の賃金は3つの方法から会社が選び、就業規則で定めます。今回はそのうちの平均賃金で計算し多物と思われます。平均賃金は、直前3ヶ月の賃金総額を暦の日数で割るため週3日勤務では低くなり、最低保障の6割に当たる4800円が適用された形です。

 

満額かどうかは就業規則の定めで決まるため、まず就業規則を確かめ、定めと支払いが違うなら会社に説明を求めることをおすすめします。

 

執筆者 : 高橋祐太

2級ファイナンシャルプランナー技能士


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 週3パートで「日給8000円」の妻が“有休5日”取得! でも1日分が「4800円」しか払われず、普段より“1万6000円”少なくショック!「有休なのに満額じゃない」のはおかしいですよね? 」