第二種奨学金の金利の仕組みと適用される利率の決まり方


日本学生支援機構(JASSO)の第二種奨学金は、利子が付く貸与型の奨学金です。在学中は無利子ですが、貸与終了後は原則として利子が発生します。

 

第二種奨学金の基本月額に適用される金利の上限は年3%ですが、実際の金利は貸与が終了する月に決まります。そのため、2027年3月に卒業する学生の金利は、2026年10月時点ではまだ確定していません。

 

参考として、2026年3月に貸与が終了した学生の金利は、利率固定方式で年2.423%となっており、今後の金利動向によっては上限の3%に近づく可能性もあるでしょう。

 

なお、第二種奨学金には「利率固定方式」と「利率見直し方式」の2種類があり、どちらを選ぶかによって金利上昇の影響が異なります。利率固定方式では、貸与終了時に決まった金利が返還終了まで変わりません。

 

一方、利率見直し方式では、おおむね5年ごとに金利が見直されるため、金利の上昇に伴って返還額が増える可能性があります。そのため、それぞれの特徴を理解し、将来の返還負担も考慮したうえで方式を選ぶことが大切です。

 


第二種奨学金を月8万円借りた場合の返還額を金利別に比較


月8万円の第二種奨学金を大学4年間(48ヶ月)借りた場合、貸与総額は384万円となります。ただし、第二種奨学金には利子が付くため、実際の返還総額は借りた金額よりも多くなる点に注意が必要です。

 

では、金利の違いによって返還額はどの程度変わるのでしょうか。JASSOが公表している返還例を基に、月8万円ずつ4年間借り、卒業後に20年間(240回)で返還する場合の金額を比較すると、図表1のとおりです。

 


【返還額の試算モデル】



・毎月の貸与額:8万円

・貸与期間:4年間(48ヶ月)

・貸与総額:384万円

・返還期間:20年間(240回)



 

図表1
































年利毎月の返還額返還総額
0.5%1万6855円約405万円
1.0%1万7737円約426万円
2.0%1万9582円約470万円
3.0%2万1531円約517万円

出典:日本学生支援機構「大学・返還例」

※利率固定方式など、同じ金利が続く条件での試算

 

図表1から分かるように、金利が0.5%の場合、毎月の返還額は約1万7000円ですが、3%になると約2万1500円に増加します。その差は毎月4676円となり、返還総額では約112万円もの違いが生じる計算です。

 

また、金利3%の場合、貸与総額384万円に対して約133万円の利子がかかるため、卒業後の家計にも影響する可能性があります。例えば、就職後の手取り月収が20万円の場合、毎月約2万1500円の返還額は収入の約11%に相当します。返還に加えて家賃や生活費などの支出も発生することから、卒業前に無理のない返還計画を立てておくことが大切です。

 

なお、実際の返還額は貸与期間や適用金利などによって異なるため、図表1の金額はあくまで目安として参考にしてください。

 


金利上昇に備えるには? 返還負担を抑える方法


第二種奨学金の金利上昇に備える方法の一つとして、金利の算定方式を見直すことが挙げられます。現在選択している方式は、JASSOの「スカラネット・パーソナル」で確認でき、貸与終了前の所定の期限までは変更も可能です。ただし、方式の変更には手続きが必要なため、希望する場合は早めに学校へ相談することをおすすめします。

 

また、卒業後の返還負担を抑える方法として、繰上返還の活用も効果的です。繰上返還とは、毎月の返還とは別に奨学金を前倒しで返す方式で、第二種奨学金では繰り上げた期間に相当する利子を減らせます。

 

ただし、繰上返還を優先するあまり、生活費や急な出費に備える貯蓄まで減らしてしまうと、家計に負担がかかるおそれがあります。そのため、生活に必要な資金を十分に確保し、無理のない範囲で検討することが大切です。

 

一方、卒業後に収入の減少などで毎月の返還が難しくなった場合は、JASSOの「減額返還制度」を利用する方法もあります。この制度は、審査を受けて毎月の返還額を減らし、その分の返還期間を延長できる仕組みです。返還が困難になった際は、無理をせず早めにJASSOへ相談することをおすすめします。

 


第二種奨学金の返還額を把握し、金利上昇に備えよう


第二種奨学金の金利は最大年3%で、実際に適用される金利は貸与終了時に決まります。月8万円を4年間借りた場合、金利3%では毎月の返還額が約2万1500円、返還総額は約517万円となる計算です。金利0.5%の場合と比べると、返還総額には約112万円もの差が生じます。

 

こうした負担に備えるには、金利の算定方式を把握し、必要に応じて繰上返還を検討することが大切です。また、返還が難しくなった場合には、減額返還制度も利用できます。卒業後の生活に無理が生じないよう、適用金利や家計の状況を踏まえ、計画的な返還に向けて準備を進めましょう。

 


出典


独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) 第二種奨学金の利子と利率の算定方法

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) 大学・返還例

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) 《2027年3月に奨学金の貸与が終了する方》返還方式・利率の算定方法の変更を希望しますか

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) 繰上返還申込み

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) 減額返還制度の概要

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 来年卒業する娘が第二種奨学金を月8万円借りています。「金利が3%まで上がる可能性がある」と聞きましたが、卒業後の返済額はどれくらい変わるのでしょうか? 」