クリーニングでスーツが縮んだ場合、店側に補償してもらえる?


クリーニングに出したスーツが縮んで着られなくなった場合、店側に補償してもらえる可能性があります。

 

クリーニング業界には、こうしたトラブルを解決するための「クリーニング事故賠償基準」があります。これは、クリーニング店が衣類を傷めたり、紛失したりした場合の補償について定めた基準です。

 

この基準では、原則として、事故の原因がクリーニング以外にあることを店側が証明できなければ、店側が補償することになっています。

 

例えば、洗濯表示に従わずにスーツを洗った結果、生地が縮んだ場合は、店側の責任が認められる可能性があります。

 

一方、スーツの製造上の問題など、クリーニング以外に原因があると確認された場合は、補償されないこともあります。そのため、スーツが縮んだことに気づいたら、まずは店側に連絡し、原因を調べてもらいましょう。

 


8万円のスーツが縮んだ場合、補償額はいくらになる?


クリーニング事故賠償基準では、原則として次の計算式で補償額(賠償額)を求めます。

 

・賠償額=物品の再取得価格×物品の購入時からの経過月数に対応して定める補償割合

 

再取得価格とは、事故が起きた時点で、同じ品質の新品を購入するために必要な金額です。補償割合は、購入から経過した月数や衣類の状態などを考慮して決められます。一般的に、購入から時間がたつほど補償割合は低くなります。

 

例えば、8万円で購入したスーツと同じ品質の新品が、現在も8万円で購入できるとします。この場合、補償割合が100%なら8万円、80%なら6万4000円、50%なら4万円となります。ただし、これらは計算方法を示すための例であり、実際の補償割合とは限りません。

 

クリーニング事故賠償基準には、衣類の種類や素材などに応じた平均使用年数が定められています。

 

例えば、夏物のスーツは素材によって平均使用年数が2~3年とされています。この年数や購入からの経過月数などを基に、補償割合を確認します。そのため、購入したばかりのスーツと、数年間着用したスーツでは、同じ8万円の商品でも補償額が異なる可能性があります。

 

今回のケースでも、購入時の8万円がそのまま支払われるとは限りません。まずは購入時期を確認し、店側に補償額の計算根拠を説明してもらいましょう。

 


補償額に納得できない場合はどうすればよい?


店側から提示された補償額に納得できない場合は、まず計算根拠を確認しましょう。その際、スーツを購入したときのレシートや領収書があれば、購入金額を証明する資料として役立ちます。レシートがない場合も、クレジットカードの利用明細や購入履歴などを確認してみましょう。

 

また、縮んだ部分の写真やクリーニングの預かり票も保管しておくことをおすすめします。

 

ただし、補償を求める際には期限にも注意が必要です。

 

クリーニング事故賠償基準では、原則として、衣類を受け取ってから6ヶ月、または店側が衣類を預かってから1年が経過すると、基準に基づく賠償を受けられなくなる場合があります。そのため、スーツが戻ってきたら、できるだけ早く状態を確認しましょう。

 

店側と話し合っても解決しない場合は、消費生活センターに相談する方法もあります。

 

消費者ホットライン「188」に電話すると、最寄りの消費生活相談窓口につながり、今後の対応について助言を受けられます。

 


まとめ:スーツの購入金額が全額補償されるとは限らない


クリーニングによってスーツが縮んだ場合、店側に責任があれば補償を受けられる可能性があります。

 

ただし、補償額は購入金額だけで決まるわけではありません。購入からの経過月数や衣類の状態などによっては、8万円のスーツでも補償額が8万円を下回ることがあります。

 

大切なのは、店側に事故の原因を確認し、補償額の計算根拠について説明してもらうことです。

 

また、トラブルを防ぐためにも、クリーニングに出す際は衣類の状態を確認し、受け取った後も早めに仕上がりをチェックしましょう。

 

万が一トラブルが起きても、必要な資料をそろえて冷静に話し合うことで、納得できる解決につながる可能性があります。

 


出典


全国クリーニング生活衛生同業組合連合会 クリーニング事故賠償基準(運用マニュアル)第3条(クリーニング業者の責任)(8ページ)、第4条(賠償額の算定に関する基本方式)(12ページ)、第7条(基準賠償額支払い義務の解除)(16ページ)、商品別平均使用年数表(19ページ)

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 夫のスーツをクリーニングに出したら、縮んで着られなくなってしまいました。夫は「8万円もしたのに!」と怒っていますが、購入時の金額を全額補償してもらえるのでしょうか? 」