会社員が将来受け取る年金は「基礎年金」と「厚生年金」の2種類


会社員が将来受け取る公的年金は、基本的に「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2種類です。

 

老齢基礎年金は、国民年金に加入していた人が原則65歳から受け取る年金です。20歳から60歳までの40年間、保険料をすべて納めると満額を受け取れます。

 

日本年金機構によると、令和8年度の老齢基礎年金の満額は、昭和31年4月2日以後生まれの場合、年額84万7300円です。

 

一方、老齢厚生年金は、会社員などが厚生年金に加入した期間や、その間の給与・賞与に応じて金額が決まります。

 

つまり、会社員として35年間働いていた場合、老齢厚生年金は原則として35年間の加入実績をもとに計算されます。また、無職だった5年間の保険料の納付状況によっては、老齢基礎年金も減る可能性があります。

 


5年間の無職期間があると年金はいくら減る?


では、5年間の無職期間によって、年金はいくら減るのでしょうか。

 

今回は、20歳から60歳までの40年間のうち、35年間は会社員として厚生年金に加入し、途中の5年間は無職だったケースを考えます。なお、無職期間中は国民年金保険料を納めておらず、免除や納付猶予も受けていなかったものとします。

 

この場合、老齢基礎年金の計算対象となる納付済期間は35年間です。令和8年度の満額をもとに計算すると、次のようになります。

 

・84万7300円×35年÷40年=74万1387.5円

 

したがって、老齢基礎年金の受給額は年額約74万1400円となります。40年間すべて納めた場合と比較すると、年額約10万5900円、月額約8800円の減額です。

 

仮に65歳から85歳まで20年間受け取ると、単純計算で約212万円の差になります。ただし、実際の年金額は毎年度改定されるため、あくまで令和8年度の水準による試算です。

 

一方、無職だった5年間も国民年金保険料を納めていれば、老齢基礎年金は原則として満額を受け取れます。

 

ただし、無職期間中は厚生年金に加入していないため、その5年間に相当する老齢厚生年金の上乗せはありません。

 

例えば、厚生年金加入中の平均標準報酬額(給与や賞与を月額に換算した平均額)が40万円の場合、5年間の加入差による老齢厚生年金の差は、一定の条件のもとで年額約13万1600円です。

 

このように、無職期間による影響は、基礎年金と厚生年金を分けて考えることが重要です。

 


無職期間による年金の減額を抑える方法はある?


無職期間に国民年金保険料を納めていなかった場合でも、条件によっては将来の年金額を増やせます。

 

例えば、保険料の免除や納付猶予を受けていた場合は「追納制度」を利用できることがあります。追納とは、過去に免除・猶予された保険料を後から納める制度です。

 

原則として、追納できるのは申請時点から10年以内の免除・猶予期間です。ただし、単なる未納期間は追納の対象にならず、通常は納付期限から2年を過ぎると納められません。

 

また、60歳時点で老齢基礎年金が満額にならない場合、60歳以上65歳未満の間に国民年金へ任意加入する方法もあります。厚生年金に加入していないことなど、一定の条件を満たせば、年金額を増やせます。

 

まずは、日本年金機構の「ねんきんネット」で過去の加入記録や保険料の納付状況を確認してみましょう。

 


まとめ:5年間の無職期間があっても、保険料の納付状況によって年金額は変わる


35年間会社員として働き、5年間の無職期間に国民年金保険料を納めていなかった場合、老齢基礎年金は満額より年額約10万5900円少なくなる計算です。

 

一方、無職期間中も国民年金保険料を納めていれば、老齢基礎年金の減額を避けられます。ただし、無職期間中は厚生年金に加入していないため、40年間働いた場合と比べると、老齢厚生年金も少なくなります。減額幅は、会社員時代の給与や賞与などによって異なります。

 

将来の受給額が気になる方は、まず「ねんきんネット」で自分の年金記録を確認しましょう。追納や任意加入などの制度を活用できれば、老後の年金を増やせる可能性があります。

 


出典


日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額

日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額

日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

日本年金機構 国民年金保険料の追納制度

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 会社員として「35年間」働きましたが、途中に「5年間」の無職期間があります。この空白期間によって、将来受け取る年金はいくら減ってしまうのでしょうか? 」