20代の貯金中央値は37万円? 平均との大きな差


金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」によると、20代単身世帯の金融資産保有額は平均255万円、中央値37万円となっています。両者には218万円もの差があります(図表1)。

 

平均値は合計額を世帯数で割った数値で、一部の資産が多い世帯の影響を受けます。中央値は金額順に並べたときの真ん中の値で、平均値と併せて見ることが重要です。なお、20代単身世帯の33.2%は「金融資産非保有」と、約3世帯に1世帯金融資産がゼロという結果でした。

 

ただし、37万円は男女を含む20代単身世帯の数字です。また、調査の「金融資産」には株式や投資信託などは含まれますが、日常的な出し入れに使う預貯金は含まれません。「金融資産非保有」も、銀行口座の残高がゼロという意味ではありません。

 

図表1



金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査 2025年をもとに筆者作成

 


中央値37万円なら安心? 大切なのは「必要なときに払えるか」


同世代の中央値を上回る金融資産があっても、安心とは限りません。普段の生活費を給与で賄えていても、冠婚葬祭や引っ越し、家電の故障などで、まとまった支出が必要になることがあるからです。

 

今回の投稿からも、問われるのは貯金額の多い少ないだけでなく、必要なときに自分の負担分を支払えるかという点です。夫婦で財布を分ける場合は、大きな出費をどう分担するか、あらかじめ話し合っておきたいところです。

 

さらに、病気や失業によって収入が減る可能性もあります。備えておきたい金額は、収入や家族構成によって異なるため、周囲と比べるより、自分たちの暮らしで想定される支出や必要な手元資金を考えることが大切です。

 


20代は貯金が少なくても仕方ない? 今からできる資産形成


20代は働き始めて間もない人も多く、奨学金の返済や引っ越しなどで貯蓄に回す余裕がない場合もあります。今の貯金額だけで悲観する必要はありませんが、「みんなも少ないから大丈夫」と備えを先延ばしにするのは禁物です。

 

また、注意したいのが、NISAでの積立投資を優先するあまり、手元の現預金が不足する、いわゆる「NISA貧乏」です。投資信託は売却して現金化できますが、値下がりしているときに急な出費が重なれば、損失を出す可能性があります。

 

まずは、急な支払いに対応できる現預金を確保しましょう。貯金が続かない人には、給与から一定額を先に別口座へ移す「先取り貯金」がおすすめです。毎月1万円でも1年で12万円になります。無理のない額から始め、生活の備えができたら、余裕資金でNISAなどの長期投資を検討しましょう。

 

大切なのは、「みんなはいくら持っているか」ではなく、「自分たちにはいつ、いくら必要か」です。今回の投稿は、貯金額の多い少ないだけでは測れない、お金の備え方を考えるきっかけになりそうです。

 


出典


金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査 2025年

 

執筆者 : 大林郁哉

2級ファイナンシャルプランニング技能士、AFP


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 SNS「夫の貯金がなさすぎてキモ!」→統計で「貯金・中央値」を調べて絶望!? 20代“平均255万円”でも、中央値は「37万円」だけ…まだ若いなら「貯金が少なくても仕方ない」? 20代の貯蓄の実態とは 」