そもそも「公営住宅」とは?


公営住宅とは、国と地方公共団体が協力し、住まいに困窮している低所得者に向けて、割安な家賃で提供している公的な賃貸住宅のことです。

 

「公営住宅法」という法律に基づいて運営されており、運営する自治体によって「都営住宅」「県営住宅」「市営住宅」「町営住宅」などと呼ばれています。

 


主な特徴と基本的な入居条件


公営住宅の最大の特徴は、入居者の所得や部屋の広さ、築年数に応じて家賃が決まる「応能応益家賃制度」を採用している点です。

 

低所得者を対象とするため、原則として政令月収(所得から各種控除を引いて12カ月で割った金額)が「15万8000円以下」という上限があります。一見厳しく思えますが、各種控除後の金額で計算されるため、世帯年収300万円〜400万円程度でも対象となる可能性があります。

 

なお、すべての世帯が一律「15万8000円以下」ではありません。公営住宅法施行令に基づき障がい者や高齢者、未就学児のいる「裁量階層世帯」に該当する場合は、政令月収「21万4000円以下」まで基準が緩和されます(※自治体の特例条例により最大25万9000円まで緩和される場合もあります)。

 

費用面では、公営住宅法第20条の規定により、民間の賃貸住宅と比べて礼金や仲介手数料、更新料が不要と定められています。公営住宅法第18条に基づき、敷金だけは例外として必要となるケースが多いので、初期費用として用意しておかなければなりません。

 

また、入居決定は先着順ではなく、応募多数の場合は抽選や住宅困窮度の高い世帯から優先的に選ばれる仕組みです。

 

自治体により詳細は異なりますが、一般的に以下の条件を満たす必要があります。




・一般世帯は政令月収15万8000円以下など、世帯所得が基準以下であること

・同居、または同居しようとする親族がいること(高齢者や障がい者は単身入居の特例あり)

・募集自治体の区域内に住民票がある、または勤務していること

・反社会的勢力の一員でないこと



 


近年の「公営住宅」にはある動きが…


近年、地方自治体を中心に、県外(市外)からの移住希望者へ公営住宅を開放する動きが広がっています。

 

公営住宅は本来、公営住宅法により「低所得の住民」向けと定められています。しかし国土交通省の通知に基づき、空き部屋を移住促進など本来の目的以外に使う「目的外使用(地域対応活用)」という例外措置が認められるようになりました。

 

地方自治体はこの仕組みを活用し、「お試し住宅」や「定住促進住宅」として県外の人へ貸し出せるよう条例整備を進めています。本格的な移住準備として「最長1年」などの期限付きで提供されるのが一般的です。この取り組みは、地域の高齢化抑制や増加する公営住宅の空き室解消という2つの課題解決に大きく貢献しています。

 


出典


国土交通省 中部地方整備局建政部 「公営住宅とは」

北海道「【随時公募】道営住宅の空き住戸の柔軟な活用(目的外使用)について」

国土交通省 「離職者の居住安定確保に向けた公営住宅の活用について」

e-Gov 法令検索 公営住宅法

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 年収も上がらないし、できれば家賃の安い公営住宅に住みたい…。確か単身者や県外在住の人は住めないと聞いたけど、今も制度は変わってないの? 」