11月末退職と12月末退職では年末調整の扱いが異なる


年末調整とは、毎月の給与から差し引かれた所得税と、実際に納めるべき年間の所得税との差額を精算する手続きです。税金を払い過ぎていれば還付され、不足していれば追加で徴収されます。

 

国税庁によると、年末調整の対象となるのは、原則として年末まで勤務している人です。そのため、11月30日に退職する場合、通常は勤務先で年末調整を受けられません。

 

一方、12月31日まで在籍していれば、基本的には年末調整の対象となります。ただし、年間の給与収入が2000万円を超える人などは対象外です。

 

なお、11月末に退職しても、12月中に再就職すれば、新しい勤務先で前職の給与を含めて年末調整を受けられる場合があります。その際は、前職の源泉徴収票を提出する必要があります。

 


12月1日以降の退職でも年末調整を受けられない場合がある


「12月1日以降に退職すれば、必ず年末調整を受けられる」と考えるのは誤りです。

 

国税庁によると、年の途中で退職した人でも、12月に支給期が到来する給与を受け取った後に退職した場合は、年末調整の対象になります。つまり、重要なのは退職日だけでなく、給与の支給日です。

 

例えば、給与支給日が毎月25日の会社で、12月10日に退職する場合を考えてみましょう。12月25日の給与支給日前に退職するため、原則として年末調整の対象にはなりません。

 

一方、同じ会社で12月26日に退職する場合は、12月25日の給与を受け取った後なので、年末調整の対象になります。

 

また、給与支給日が12月1日の会社なら、その日の給与を受け取った後に退職する場合も対象となります。

 

このように、12月1日が一律の判定基準になるわけではありません。年末調整を受けられるかどうかは、会社の給与支給日によっても変わります。

 


年末調整を受けられなくても確定申告で税金が戻る可能性がある


11月末に退職して年末調整を受けられなくても、それだけで所得税の負担が増えるわけではありません。所得税は、基本的に1年間の所得や各種控除によって決まります。控除とは、税金を計算する際に所得などから一定の金額を差し引ける仕組みです。

 

例えば、11月末に退職して年内に再就職しなかった場合、給与から差し引かれていた所得税が、本来納めるべき金額より多くなっている可能性があります。その場合は、確定申告をすることで、払い過ぎた税金の還付を受けられます。

 

確定申告とは、1年間の所得や税額を自分で計算し、税務署に申告する手続きです。2026年分の所得税について還付申告をする場合、原則として2027年1月1日から5年間、手続きができます。

 

申告には、退職した会社から受け取る源泉徴収票などの情報が必要です。源泉徴収票には、年間の給与額や差し引かれた所得税額などが記載されています。

 

ただし、確定申告をしても必ず税金が戻るとは限りません。所得や控除の状況によっては、追加で納税する場合もあります。

 


退職日を決める前に給与支給日と年末調整の対象になるかを確認しよう


11月末退職と12月末退職では、年末調整を受けられるかどうかが変わる場合があります。しかし、年末調整を受けられないことが、そのまま税金の損につながるわけではありません。退職日を決める前に、会社の給与支給日と、年末調整の対象になるかを人事・経理担当者に確認しましょう。

 

また、退職時期によって給与総額や社会保険料の負担なども変わるため、税金以外の条件も比較することが大切です。

 

年末調整を受けられない場合も、確定申告で税金を精算できます。必要な手続きを事前に確認し、自分の生活設計に合った退職日を選びましょう。

 


出典


国税庁 給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2665 年末調整の対象となる人

国税庁 令和8年分 年末調整Q&A

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 年内に退職する予定ですが、「11月末」と「12月末」で迷っています。同僚から「退職日によって年末調整が変わる」と聞いたのですが、税金にも差が出るのでしょうか? 2026年の年末調整で知っておきたいポイント 」