そもそも「町内会」とはどのような存在?


自治会や町内会は、政府や市町村が定めた団体ではなく、特定地域の自主性から組織された地縁団体です。該当地域に居住しているからといって、強制的な加入義務はありません。

 


町内会の加入は、法的には任意で強制ではない


町内会は法律上の任意団体であり、加入や脱退は自由です。

 

近年、自治会への加入率は減少し、アットホーム株式会社の行ったアンケート調査では、加入割合は7割程度の地域も多いようです。ただし、トラブル回避目的での加入も少なくありません。同調圧力や義務感、地域での疎外感といった背景もあるといわれています。

 


町内会に入らないとごみ捨て場は使えない?


国立研究開発法人 国立環境研究所の調査では、2020年時点で、約7割の市町村で「自治会未加入者がごみ集積所を使えない」などトラブルが起きていると分かっています。

 

廃棄物処理法の第六条の二において、「市町村は、一般廃棄物処理計画に従つて、その区域内における一般廃棄物を生活環境の保全上支障が生じないうちに収集し、これを運搬し、及び処分しなければならない。」と定められています。

 

行政サービスの一環であるごみ捨て場は、町内会や自治会未加入者は使ってはならないルールはなく、各市町村が家庭ごみを処分するのが本来の形です。

 


法律上ごみ捨て場は市区町村の裁量、そもそも町内会に権限はない


前述の通り、町内会にごみ捨て場の利用を決める権限はありませんが、実態は行政が町内会などに管理を依存している事実が影響していることがほとんどとされます。

 

過去には、町内会の未加入者がごみ捨て場の利用を断られたことで、ごみが捨てられず近隣に影響するほどのごみ屋敷化で最高裁沙汰になった事例がありました。

 

神戸地裁・大阪高裁は、「非自治会員の一切の利用を認めない」とした町内会側の対応を違法であるとし、一審で約20万、二審で約30万円の支払いを命じています。

 

一方で、終始非自治会員のごみ捨て場を利用する権利自体は認めていないとされます。また、福井地裁・名古屋高裁では「未加入者が年1万5000円の利用料を支払う」判決で和解が成立したケースがあります。

 

過去の判例から「ごみ捨てはできるが、対価(維持管理費など)は求められる」ものと判断される場合が一般的のようです。

 


町内会とどう付き合っていく?また町内会側はどうするべき?


どうしても加入したくない場合、未加入を理由に突き放しては双方の関係が悪化するため、話し合いの機会を設けることが大切です。

 


町内会と未加入者間で納得できる線引きが必要


未加入であっても、ごみ捨て場の清掃への協力や、維持管理費として妥当な実費を支払う形で合意の線引きを作るのが現実的でしょう。降雪地帯の場合は、冬期の除排雪費も関わってきます。

 

一方で、少子高齢化や近隣関係の希薄化により、従来通りの町内会システムでは維持が厳しくなっているのも明らかです。町内会側も回覧板や集金、集会などのアナログな手法を見直す時期にきているかもしれません。

 


まとめ


本来、各市町村の行政が家庭ごみを回収する形ですが、実態として行政が町内会や自治会に管理を任せている場合があり、これが未加入者の利用トラブルの要因となっています。

 

近年の単身化や地域活動の減少に伴い、町内会の存在自体を知らない、加入方法が分からないケースも増えています。生活スタイルや近所付き合いは変化していますが、挨拶を交わすだけでも交流のきっかけになります。加入の有無を問わず、双方で理解を深める機会を作ることが大切でしょう。

 


出典


茨城県取手市公式サイト くらしの情報 認可地縁団体(自治会・町内会の法人格取得)制度の概要

国立研究開発法人 国立環境研究所 資源循環領域 増える自治会未加入者、ごみ集積所の管理はどうする?

デジタル庁 e-Govポータル 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 (市町村の処理等) 第六条の二

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 町内会に未加入の私。家庭ごみを捨てようとしたら町内会長から年に「1万5000円」の利用料を払えとの通達!行政サービスなのに町内会にそんな権限ってあるの? 」