オルカン高配当とオルカンの違いは? 100万円で手取りを比較


連動する指数が別で、中身は世界の高配当株692銘柄


オルカン高配当とは、三菱UFJアセットマネジメントが2026年9月30日に始めた「eMAXIS 高配当全世界株式(オール・カントリー)」のことです。

 

オルカンの指数は2414銘柄ですが、オルカン高配当は配当の多い692銘柄に絞った指数に連動します(2026年9月末時点)。信託報酬は年0.165%以内で、NISAでは成長投資枠でしか買えません。

 


利回り3.5%と仮定すると、手取りは年約2万8000円


運用会社が示す指数の予想配当利回りは3.5%です(2026年5月末時点)。

 

仮にこの利回りなら、100万円の配当は年3万5000円です。特定口座では20.315%の税金が引かれ、手取りは約2万8000円になります。NISA口座なら日本の税金はかかりません。

 

一方、オルカンは配当を払い出さず再投資しています。手取りは0円でも、もうけがないわけではありません。

 


実績がまだないのに注目されているのはなぜ?


運用会社のLINE会員向けアンケートでは、分配金に魅力を感じる人が過半数でした。

 

「取り崩しや解約に抵抗がある」が「分配金として受動的に受け取る形であれば、心理的な安心感につながる」という投資家の声に応えたファンドです。ただし、始まったばかりで分配はまだなく、初回の決算は2026年12月14日です。

 


飛びつく前に知りたい「隠れコスト」と「減配リスク」


信託報酬は約2.9倍で、実際のコストはまだ分からない


100万円あたりの信託報酬は、オルカンが年約578円、オルカン高配当は年1650円です。投資信託には、売買手数料や保管費用など、ほかの費用もかかります。オルカンでは、これらを含めて2026年4月までの1年間で0.085%でした。

 

オルカン高配当は、この費用がまだ分かりません。費用が載る運用報告書は3・9月の決算後に作られ、公表は早くても2027年3月の決算後です。

 


海外で引かれる税金はNISAでも戻らない


海外企業の配当には、多くの国で税金がかかります。NISAで非課税になるのは日本の税金だけで、現地の税金は戻りません。配当が多いほど税金は増えます。分配金は税金や経費を引いた残りから出るため、3.5%で計算した額より少なくなる可能性があります。

 


景気が悪くなると配当が減り、値下がりもする


分配金の額は保証されていません。投資先が配当を減らせば、分配金も減ります。

 

例えば、日本の高配当株指数で比率1位のコマツも、コロナ禍で需要が落ちこんだ2021年3月期は、年間配当を記念配当込みの94円から55円に減らしました。

 

高配当株でも値下がりすることはありします。指数の算出はファンドより前の2012年からで、それ以前をさかのぼって計算すると、2007年10月~2009年3月に米ドル建てで最大約62%下がりました。

 

分配金はファンドの資産から出るため、その分、基準価額(ファンドの値段)も下がります。

 


オルカンとオルカン高配当はどう使い分ける?


お金を増やしたい時期はコストの安いオルカン


受け取った分配金は運用から外れるため、お金を増やしたい時期は配当を再投資し、つみたて投資枠でも買えるオルカンが向いています。

 


定期的に現金がほしいなら高配当を一部に


自分で売らずに現金を受け取りたいなら、オルカン高配当が候補です。

 

ただし、IT企業が少なく、IT株が強い相場ではオルカンより伸びにくい傾向があります。そのため、すべて乗り換えるのではなく、一部だけ買って分配金とコストを確かめる方法もあります。

 


まとめ


オルカン高配当は、オルカンとは指数が違う別のファンドです。利回り3.5%と仮定すると、100万円で特定口座の分配の手取りは年約2万8000円になります。

 

ただし、分配の実績はまだなく、信託報酬以外の費用も公表されていません。配当は景気によって減ることもあります。お金を増やすならオルカン、定期的に現金がほしいなら高配当を一部に、と目的で選びましょう。

 

執筆者 : よし・こう

1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 “NISAで100万円分”買うなら「オルカン高配当」にすべき!?「年間2.8万円」の手取り差でも、まだ実績が不安…「お金を増やす」なら“今までのオルカン”で良い? 飛びつく前に知るべき「隠れコスト・減配リスク」とは 」