円高になるとオルカンの評価額が下がることがある


「オルカン」と呼ばれるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、日本を含む先進国や新興国の株式に幅広く投資する投資信託です。オルカンの投資先の多くは外国株式であるため、海外資産の価格が変わらなくても、円高になれば円換算した資産価値が下がる方向に働きます。

 

例えば、1万ドルの海外資産があったとしましょう。1ドル160円なら円換算で160万円ですが、1ドル150円まで円高になると150万円です。

 

このように、海外資産そのもののドル建て価格が変わっていなくても、円高になると円換算すると資産の評価額は減少します。ただし、オルカンの基準価額は為替だけで決まるわけではありません。

 

世界各国の株価も変動するため、「円高になった分だけ必ず下落する」という単純な関係ではない点には注意が必要です。

 


300万円が1ヶ月で「約285万円」になる?


実際に最近のオルカンの基準価額を見てみましょう。2026年8月14日の基準価額は3万9019円という高値でした。しかし、約1ヶ月後の9月14日には3万7072円まで下落しています。

 

そのため、下落率は、約5%です。((3万9019円-3万7072円)÷3万9019円×100)

 

仮に8月14日時点で評価額300万円だったオルカンを、そのまま9月14日まで保有していたとすると、評価額は約285万円となります。わずか1ヶ月で約15万円の含み損です。300万円というまとまった金額を投資していれば、5%程度の下落でも金額としては大きく感じるでしょう。

 

ちなみに、この間、1ドルあたりの円相場は次のように円高傾向に進んでいます。






・8月14日:159.3円(終値)

・9月14日:154.35円(終値)





それでも「買い増したい」と考える理由


含み損にもかかわらず買い増そうとしているのは、「以前より安い価格で多くの口数を購入できる」と考えているからでしょう。例えば10万円を投資する場合、基準価額が3万9019円のときより、3万7072円のときのほうが同じ金額で多くの口数を購入できます。

 

その後、基準価額が再び上昇すれば、安いときに購入した分が利益につながります。長期的な成長を期待して投資を続ける人にとって、値下がりは必ずしも「売る理由」ではなく、「安く買える機会」と考えることもできるのです。

 


買い増した後にさらに下がれば「爆損」もあり得る


ただし、「5%下がったから今が買い時」とは限りません。3万9000円台から3万7000円台に下がった後、さらに3万円、2万5000円と下落する可能性もあります。

 

「下がったところで買えば必ずもうかる」のであれば簡単ですが、どこが底値なのかは事前には分かりません。円高がさらに進む可能性もあれば、世界的な株安が重なり、為替と株価の両方から基準価額が下押しされる可能性もあります。

 


買い増すかどうかの判断基準


買い増すかどうかを考える際、「1ドル155円まで円高になったから」などという理由だけで判断するのは注意が必要です。そもそもオルカンは米国株だけに投資する商品ではなく、日本を含む世界各国の株式へ投資しています。

 

さらに、今後1ドル145円になるのか、再び160円を超えるのかを正確に予測することも困難です。重要なのは、直近の為替水準よりも、何のために、いつまで投資するのかです。

 

例えば老後資金として20年以上運用する予定の300万円と、数年後の住宅購入や教育費に使う予定の300万円では、同じ値下がりでも受け止め方は大きく異なります。生活費や近い将来必要になる資金まで投資しているのであれば、買い増す前に家計全体を確認する必要があるでしょう。

 


まとめ


オルカンの基準価額は円高も重なり、8月14日から9月14日までの1ヶ月で5%程度下落しました。値下がりした局面では同じ投資額で多くの口数を購入できるため、長期投資を前提に買い増す考え方もあります。

 

しかし、現在が底値とは限らず、買い増した後にさらに円高や世界的な株安が進めば、含み損が大きくなる可能性もあります。

 

為替だけで判断するのではなく、投資期間や投資目的、家計の余裕、どの程度の値下がりまで耐えられるのかといったリスク許容度が、当初の投資計画に合っているかを確認することが大切です。

 

執筆者 : 三浦大幸

2級ファイナンシャルプランニング技能士/ITパスポート/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 円高で夫の「オルカン300万円」が、1ヶ月で“285万円”に減少!「1ドル155円だから」と買い増そうとしていますが、損失が出ているなら危ないですよね?「下がったら買う」で“爆損”しないか心配です… 」