親が高齢で、15年以内には4000万円ほど相続する可能性があります。今は住宅ローンや教育費で家計に余裕がないのですが、将来相続できるなら、今は無理に貯金しなくても大丈夫でしょうか?
将来4000万円を相続できるなら、今は貯金しなくてもよい?
将来4000万円を相続できる見込みがあっても、現在の貯金を完全にやめることはおすすめできません。なぜなら、相続する時期が確定していないうえ、親の介護費や医療費、施設入所費用などによって、受け取れる財産が減る可能性もあるためです。
例えば、15年後に4000万円を相続できれば、住宅ローンの返済や老後資金に充てられるでしょう。ただし、それまでの間に子どもの進学費用が必要になったり、病気や失業で収入が減ったりする可能性もあります。
こうした状況で十分な貯蓄がなければ、必要な支出に対応できず、家計が苦しくなるおそれがあります。
そのため、将来の相続をあてにして貯金をやめるのではなく、急な出費にも対応できるよう、手元に一定の預貯金を確保しておくことが大切です。相続財産はあくまで将来の生活を支える資金と考え、現在の生活は手元の収入と貯蓄で成り立つようにしておきましょう。
相続予定の4000万円が減る可能性もある?
親の財産が現在4000万円ほどあっても、親自身の生活費や医療費、介護費用などで財産が減る可能性があるため、その全額を将来受け取れるとはかぎりません。
特に、介護施設を利用する場合は、介護サービスの自己負担に加えて食費や居住費などもかかるため、まとまった支出が発生することも考えられます。
また、親の配偶者や自分の兄弟姉妹など、ほかにも相続人がいれば、財産を分けることになるため、自分が受け取れる金額はさらに少なくなる可能性があります。
さらに、相続税が発生する場合もあるため、注意が必要です。相続税には「基礎控除」という、一定額まで税金がかからない仕組みがあり、その金額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」で求められます。
例えば、法定相続人が子ども2人の場合、基礎控除額は4200万円となり、正味の遺産額が4000万円であれば原則として相続税はかかりません。
一方、法定相続人が1人の場合の基礎控除額は3600万円となり、相続税が発生する可能性があります。
このように、実際に受け取れる財産はさまざまな事情によって変わるため、現時点で相続額を正確に見積もることは困難です。将来の資金計画を立てる際は、親の意向を尊重しながら、財産の内容や相続人について家族で話し合っておくとよいでしょう。
住宅ローンや教育費で余裕がない場合、どう貯金すればよい?
住宅ローンや教育費で家計に余裕がない時期は、無理に多額の貯金を目指す必要はありません。ただし、急な出費にも対応できるよう、少額でも貯蓄を続けることが大切です。
具体的には、急な出費や収入の減少に備える貯金として、生活費の3~6ヶ月分を当面の目標額にするとよいでしょう。
例えば、毎月の生活費が30万円の場合は、90~180万円が目安です。ただし、必要な金額は収入の安定性や家族構成によって異なるため、それぞれの家庭の状況に合わせて考える必要があります。
まとまった金額をすぐに準備するのが難しい場合は、月5000円や1万円から積み立てる方法も有効です。仮に月1万円ずつ貯金すれば、10年間で120万円を確保できます。
住宅ローンの返済や教育費の負担が大きい場合は、毎月の支出を見直し、無理なく貯金できる金額を把握することが大切です。特に教育費は、子どもの進学時期に合わせてまとまった資金が必要になるため、早めに準備しておくと安心でしょう。
そのため、まずは住宅ローンの返済や日々の生活に支障が出ない範囲で貯金額を設定し、少しずつ積み立てを続けていくことをおすすめします。
相続をあてにせず、無理のない貯蓄を続けよう
将来4000万円ほどの相続が見込まれても、現在の貯金を完全にやめることはおすすめできません。親の生活費や介護費用などで相続財産が減る可能性があり、受け取る時期も確定していないためです。
とはいえ、住宅ローンや教育費の負担が大きい時期に、無理をして多額の貯金をする必要もありません。
急な出費や収入の減少に備えるためにも、家計に負担をかけない範囲で少しずつ貯蓄を続けることが大切です。まずは生活費の3~6ヶ月分を目標に、無理のない金額を積み立てながら、将来の相続に頼りすぎず、着実に備えていきましょう。
出典
金融庁 NISA特設ウェブサイト 資産形成の基本
国税庁 No.4152 相続税の計算
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー