掃除中「企業型DC200万円を自動移換しました」という夫宛の“10年前の通知”を発見! 年3%で運用してたら「69万円」増えてたのに…しかも”手数料”は引かれてた!? 今からでもiDeCoなどに移せるでしょうか?
辞めてから6ヶ月以内に移さないと、自動で国民年金基金連合会に移される
iDeCo公式サイトによると、企業型DCに加入していた人が会社を辞めると、加入者の資格を失います。その後6ヶ月以内に、iDeCo(個人型確定拠出年金)や転職先の企業型DCなどへ資産を移す手続きをしないと、資産は国民年金基金連合会へ自動移換される決まりです。
自動移換されたお金には2つの問題があります。1つは、資産の運用がされないことです。もう1つは、自動移換されている期間が、老齢給付金を受け取る要件となる通算加入者等期間に算入されないことで、期間が足りないと受け取れる年齢が遅くなることがあります。
さらに、自動移換のときと、その後の管理にも手数料がかかり、自動移換された資産から引かれます。国民年金基金連合会の案内では、自動移換時の手数料は次のとおりです。
・1048円(国民年金基金連合会)+3300円(特定運営管理機関)=4348円
その後は管理手数料が毎月かかり、2026年4月分からは、国民年金基金連合会の40円と特定運営管理機関の58円を合わせて月98円です。
・98円×12ヶ月=1176円(1年あたり)
200万円を10年放置すると、年3%の運用と比べて約69万円の差
今回のケースでは、200万円が10年間、運用されずに置かれていました。年3%で10年運用すると、元のお金は1.03を10回かけた約1.344倍になります。
・200万円×1.344=268万8000円
・268万8000円-200万円=68万8000円
年3%で運用していれば増えたはずの約69万円を、逃した計算です。運用の成績は商品によって変わるため、必ずこの額になるわけではありませんが、自動移換されたお金は運用されないため、増える可能性がそもそもない状態でした。
一方、手数料は確実に引かれており、現在の額なら管理手数料は1年で1176円で、自動移換時の4348円と合わせると10年で1万円を超える額が資産から引かれているでしょう。
今からできる手続きは、iDeCoか企業型DCへの移換
自動移換されたままの資産は、今からでも動かせます。夫が企業型DCのある会社に勤めているなら、その企業型DCへの移換が1つの選択肢です。企業型DCがない会社なら、iDeCoの口座を開いて移換します。どちらも資産を移すときに移換手数料がかかり、2026年4月以降の受付分は550円です。
移換すれば運用ができるようになり、受け取りに必要な期間が再び数えられるようになります。手続きの入り口は、企業型DCなら勤め先の担当部署、iDeCoなら金融機関です。移換のときには自動移換の通知に書かれた番号が必要になるため、今回見つけた封筒は捨てずに取っておきましょう。
まとめ
今回のケースでは、企業型DCの200万円が10年前に自動移換され、運用されないまま置かれていました。年3%で運用していれば約69万円増えていた計算で、さらに自動移換時の4348円と月98円の管理手数料が資産から引かれています。
自動移換されたままの期間は受け取りに必要な期間にも数えられないため、放置するほど不利になる仕組みです。今からでもiDeCoか企業型DCへ移換できるので、見つけた通知を手元に置いて早めに手続きを進めることをおすすめします。
出典
iDeCo公式サイト iDeCo加入者で転職・退職された方へ
国民年金基金連合会 自動移換にかかる手数料改定のお知らせ
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士