友人が「生命保険の満期で300万円受け取った」と話していました。私も毎月保険料を払っていますが、生命保険なら満期になるとお金を受け取れるのでしょうか?
生命保険は種類によって満期保険金の有無が異なる
生命保険に加入しているからといって、必ず満期保険金を受け取れるわけではありません。生命保険には主に「定期保険」「終身保険」「養老保険」などがあり、それぞれ保障内容やお金の受け取り方が異なります。
定期保険は、10年間や20年間など、一定期間の死亡保障を確保する保険です。一般的な掛け捨て型の定期保険では、保険期間が終了しても満期保険金はありません。
一方、終身保険は死亡保障が一生涯続く保険で、原則として満期がないため、満期保険金もありません。ただし、契約内容によっては、途中で解約した際に「解約返戻金」を受け取れる場合があります。
そして、満期保険金を受け取れる代表的な保険が養老保険です。一定期間の死亡保障を確保しながら、満期まで生存していた場合に満期保険金を受け取れる仕組みです。
例えば、満期保険金300万円の養老保険に加入していれば、契約で定められた条件を満たして満期を迎えた際に300万円を受け取れます。
満期で300万円受け取っても必ず得をするとは限らない
生命保険の満期で300万円を受け取っても、必ず得をするとは限りません。重要なのは、それまでに支払った保険料の総額です。
例えば、毎月1万円の保険料を25年間支払い、満期保険金300万円を受け取る契約だったと仮定します。この場合、保険料の払込総額は次のとおりです。
1万円×12ヶ月×25年=300万円
満期保険金と払込保険料総額が同じため、単純な差額は0円です。一方、毎月1万2000円を25年間支払った場合、払込総額は360万円となり、満期保険金300万円より60万円多くなります。
ただし、養老保険には保険期間中の死亡保障も含まれるため、受取額と払込額の差だけで価値を判断することはできません。また、商品によっては満期保険金が払込保険料総額を上回る場合もあります。
なお、外貨建て保険では為替相場、変額保険では運用実績によって受取額が変動する場合があります。いずれも商品や契約内容によっては、受取額が払込保険料総額を下回るリスクがあるため注意が必要です。
生命保険を貯蓄目的で考える場合は、払込保険料の総額や保障内容、受取額が確定しているかどうかも確認しましょう。
満期保険金には税金がかかる場合もある
生命保険の満期保険金を受け取った場合、税金が発生することがあります。国税庁によると、課税関係は保険料を負担した人と保険金を受け取る人によって異なります。
例えば、自分で保険料を負担し、満期保険金を一時金として受け取った場合、原則として所得税の一時所得に該当します。ほかに一時所得がない場合、基本的な計算式は次のとおりです。
一時所得=満期保険金-払込保険料総額-特別控除額(最高50万円)
仮に満期保険金が300万円、払込保険料総額が240万円だった場合、一時所得は次のようになります。
300万円-240万円-50万円=10万円
この場合、一時所得は10万円となり、原則としてその2分の1に当たる5万円が所得税の計算上、課税対象となる所得に算入されます。
一方、保険料を負担した人と満期保険金を受け取る人が異なる場合は、贈与税の対象となることがあります。また、一時払養老保険などのうち、保険期間が5年以下の契約などでは、源泉分離課税が適用される場合もあります。
なお、現在加入している保険の種類や満期保険金の有無、保険期間などは、保険証券や契約内容のお知らせで確認できます。不明な場合は、保険会社に問い合わせてみましょう。
まとめ
生命保険に加入していても、必ず満期保険金を受け取れるわけではありません。
一般的な定期保険には満期保険金がなく、終身保険にも原則として満期はありません。一方、養老保険などでは、所定の条件を満たすと満期保険金を受け取れます。
ただし、満期で300万円を受け取っても、払込保険料の総額によっては利益が出ない場合があります。
まずは保険証券などで契約内容を確認し、保障と貯蓄の両面から現在の保険が自分の目的に合っているか見直してみましょう。
出典
国税庁 No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき
国税庁 No.1490 一時所得
国税庁 No.4417 贈与税の対象になる生命保険金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー