資産「5000万円」が貯まったので、55歳で「FIRE」したいです。夫婦2人、生活費が月「25万円」なら、65歳の年金開始まで十分もちますよね?
5000万円あれば「FIRE」できる?
FIREとは、通常の早期リタイアとは異なり、資産運用で生活費を継続的に確保できる状態を作ってから、会社を早期リタイアすることです。
5000万円あればFIREできるかどうかは、退職後にかかる費用の目安を基に判断しましょう。ここでは、55~65歳までに必要な生活費の目安や、生活費以外で必要な費用などをご紹介します。
10年間で必要な生活費
総務省統計局が公表している「家計調査 家計収支編」によると、世帯主の年齢が55~59歳、60~64歳までかつ2人以上の世帯のおもな項目別月額平均消費支出は表1の通りです。
表1
| 55~59歳 | 60~64歳 | |
|---|---|---|
| 平均消費支出合計 | 35万3358円 | 34万393円 |
| 食料 | 9万1549円 | 9万3253円 |
| 住居 | 1万9115円 | 2万2442円 |
| 光熱・水道 | 2万5013円 | 2万5500円 |
| 家具・家事用品 | 1万3176円 | 1万4182円 |
| 被服および履物 | 1万1631円 | 9909円 |
| 保健医療 | 1万3820円 | 1万5923円 |
| 交通・通信 | 6万2289円 | 5万6524円 |
| 教育 | 2万576円 | 5644円 |
| 教養娯楽 | 3万1716円 | 3万3755円 |
| そのほかの消費支出 | 6万4472円 | 6万3261円 |
※筆者作成
なお、総務省統計局のデータでは表に示す数値が四捨五入されているため、合計の平均額と、項目別の平均額を足した金額が同じになるとは限りません。
55歳0ヶ月~64歳11ヶ月まで毎月平均消費支出と同じだけの出費が生じると仮定すると、10年間の生活費の目安は合計4162万5060円です。ただし、今回のデータは無職世帯、勤労世帯のどちらも含まれているため、退職後の生活費は平均より少なくなる可能性があります。
生活費以外で退職後にもかかる費用
仮に月25万円で生活できた場合は、10年間で3000万円です。
しかし、生活費以外に、退職後も健康保険料、税金、60歳までは国民年金保険料などもかかります。例えば、令和8年度の場合、国民年金保険料は月1万7920円です。
国民年金は原則として、20歳以上60歳未満の人が加入します。令和8年度の月額が5年間変わらないとすると、合計で107万5200円、夫婦で合計して215万400円です。月25万円で生活する場合は、10年間でかかる費用は合計で3215万400円になります。
また、10年分の平均消費支出と夫婦の5年分の国民年金保険料を合計すると、4377万5460円になり、いずれの場合も健康保険料や税金の支払いが必要です。
「5000万円あるから大丈夫」ではなく、実際に自分たちが生活するにはどれくらいのお金が必要で、今の試算ではどの程度余裕があるのかを把握しておきましょう。
FIREする前に確認しておきたいポイント
今回ご紹介した平均消費支出のデータ上から考えると、退職後の生活費を月25万円で賄える可能性があります。ただし、FIRE前に「月25万円」と決めてその後のライフプランニングをするのではなく、今後の自身の生活や状況に応じて試算をして、費用が足りるかを判断することが大切です。
消費支出の項目や各種保険料のほか、固定資産税や趣味の費用など、不規則で発生する費用も含めて考えましょう。
さらに、65歳以降も生活は続くため、65歳時点で残る資産や公的年金の受給額も含めて、長期的な資金計画を立てる必要があります。試算した結果、月25万円で生活できたとしても、年金を受給する年齢までだけでなく、それ以降のライフプランもよく考えることが重要です。
また、退職後は年金や税金の手続きを自分でしなければなりません。特に、加入している年金の切り替え手続きは自分で行う必要があります。必要な手続きをしないままでいると、国民年金保険料が未納状態になりかねないため、早めに手続きをしておきましょう。
十分持つかどうかは状況によって変わる
2人以上の世帯の平均消費支出をそのまま当てはめると、10年間の消費支出だけで約4200万円です。これに国民年金保険料や健康保険料、税金などが加わる可能性があります。
FIREして資産運用する場合は、運用のなかで想定より資産が減る事態も想定しておくことが大切です。そのため、実際に出費がどれくらいかかるのかを試算し、本当に退職しても生活に困らないかを考えた上で、FIREするかを決めるとよいでしょう。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2025年 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号3-2世帯主の年齢階級別
総務省統計局 利用上の注意
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日本年金機構 年金用語集 た行 第1号被保険者
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー