薬局の会計に含まれる「服薬指導」の料金とは


薬局の会計には、薬そのものの代金である薬剤料のほかに、薬局の体制や薬剤師の業務に対する料金も含まれています。これらはいずれも、国が定める調剤報酬の点数をもとに、1点10円で計算する仕組みです。

 

薬剤師の業務に対する料金の1つが、薬の説明や飲み合わせの確認といった服薬指導を評価する「服薬管理指導料」です。

 

ただし、服薬管理指導料は薬局を利用しただけで発生するものではありません。

 

厚生労働省の通知では、薬の名称や副作用などの情報を伝えることや、服薬状況や体調の変化、残薬を確認して指導することなどを「必要な指導等」として定めています。服薬管理指導料は、その全てを行った場合に算定する仕組みとなっているのです。

 


医師だと伝えると安くなるのは本当? 会計がいくら下がるかシミュレーション


会計が下がったこと自体は、制度上ありうることです。服薬管理指導料は必要な指導等をすべて行った場合に算定する料金なので、何らかの理由でこの料金がかからなければ、その分だけ会計は安くなります。

 

投稿の内容だけでは会計が下がった詳しい経緯まではわかりませんが、少なくとも、明確に医師を優遇する料金の仕組みは見当たりませんでした。国が定める調剤報酬のルールには、患者が医師であることを理由に、この料金を免除したり点数を下げたりするとは書かれていないのです。

 

ただし、薬局での実際の対応は、状況によって異なることもあるでしょう。

 

では、仮に服薬指導の料金がかからなかった場合、会計はいくら下がるのでしょうか。自己負担3割で、初めての薬局で59点が算定されていたケースを試算してみましょう。59点は590円にあたり、3割負担の場合の自己負担相当額は177円です。

 


一般の人が会計を抑えることはできる?


実は、職業に関係なく、服薬管理指導料を抑える方法があります。

 

それは、同じ薬局を原則3ヶ月以内に利用し、お薬手帳を提示することです。この条件を満たすことで、点数は59点から45点になります。このときの14点の差は、自己負担3割で約40円にあたるため、毎月1回薬を処方してもらう場合であれば1年間で約500円の差になります。

 

注意したいのは、お薬手帳を持っていても、初めての薬局や前回から3ヶ月を超えて利用した場合は割引にならない点です。通院のたびに薬局を変えると、手帳を提示しても点数は下がりません。そのため、通う薬局を決めておくことが、この差を生かすポイントになります。

 


まとめ


医師だと伝えて会計が安くなっていたとしても、明確に医師を優遇する料金の仕組みは見当たりませんでした。一般の人も、同じ薬局で3ヶ月以内に薬を受け取る場合、お薬手帳を提示すれば1回あたり約40円を抑えられます。かかりつけの薬局で定期的に薬を受け取る人は、忘れずに持参するとよいでしょう。

 

スマートフォンで使える電子版のお薬手帳は、国のガイドラインを満たしたアプリであれば、紙の手帳と同じ扱いになります。持ち忘れが多い人は、通っている薬局で使えるアプリかどうかを確かめたうえで、活用を検討してみてください。

 


出典


厚生労働省 別表第三 調剤報酬点数表

厚生労働省 令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】

厚生労働省 別添3調剤報酬点数表に関する事項

 

執筆者 : 竹下ひとみ

FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 薬局で「医師です」と伝えると“会計3212円”が割引に!? SNS投稿に「知らなかった」の声も…なぜ“医師=割引”に? 一般人が「服薬管理指導料」を抑える方法も紹介 」