契約社員として「10年」働いていますが、退職金はゼロです…。正社員には支給されるそうですが、10月1日のルール改正で私も対象になるのでしょうか?
退職手当に関する考え方がガイドラインに追加
契約社員と正社員のような雇用形態により、不合理な待遇差に疑問を持ったことがある人もいるでしょう。このような待遇差をなくし、公正な待遇を受けられるようにするために、2026年10月1日に「パートタイム・有期雇用労働者のルール」が改正されました。
ルール改正の対象となる1つが「同一労働同一賃金ガイドラインの改正」です。このガイドラインは厚生労働省が定めたもので、同じ企業に勤める非正規雇用労働者が、正規雇用労働者との不合理な待遇差が生じることを禁止しています。
今回の改正により、退職手当に関する考え方が追加されました。そもそも退職手当には「労務の対価の後払い」などの目的があります。その目的が妥当するにもかかわらず、契約社員に対して「正社員との間の職務の内容等の違いに応じた均衡のとれた内容を支給しない」場合、不合理と認められる可能性があるということです。
勤続10年なら何が判断材料になる?
今回のケースは「契約社員として10年働いている」ということですが、退職手当は勤続年数だけで決まるものではありません。どのような条件を満たしていれば退職手当を支給しないことが「不合理」と判断され、支給対象になる可能性があるのか確認しておきましょう。
ガイドラインに具体的な勤続年数の基準は示されていませんが、退職金の待遇差が争点となった過去の判例を参考に判断されることもあるようです。この判例では契約社員に退職金が支払われなかったことを「不合理」と主張したものでした。
この事例において、最高裁では「退職金の待遇差は不合理ではない」という判決が出ましたが、正社員との間に職務内容や配置転換の有無、有期契約社員の正社員登用制度が設けられていたことなど合理的な理由があったことが確認されています。
以上のことからも、10月1日の改正により契約社員が退職金支給の対象になるかどうかは、単に勤続年数の長さだけでなく、正社員との責任の範囲の違いや配置転換の有無なども考慮されると考えられます。
正社員との待遇差について説明を求められる旨が追加
10月1日のルール改正では「雇用管理の改善等に関する措置の内容」も変更となり、契約社員から待遇について説明して欲しい旨の申し入れがあった場合は、工夫して説明することが企業に求められるようになりました。
契約社員に退職金が支給されないようであれば、その理由を企業に求めるとよいでしょう。その際企業は、資料を活用して口頭説明するか、説明すべき事項を記載した資料を交付しなければなりません。
10年働いているだけで退職金の支給対象かどうかは決まらない
2026年10月1日に「パートタイム・有期雇用労働者のルール」が改正され、非正規雇用労働者と正規雇用労働者との不合理な待遇差をなくすために、新たに退職手当に関する考え方が追加されました。
これにより、契約社員でも退職手当に関する待遇差が不合理と判断される可能性があります。支給対象になるかどうかは勤続年数だけでなく、正社員との間の職務内容の違いや配置転換の有無なども関係してきます。
また、正社員との待遇差について企業に説明を求めた場合の対応についても変更点に含まれているため、内容をよく確認しておくとよいでしょう。
出典
厚生労働省 同一労働同一賃金特集ページ リーフレット「パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが変わります」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー