年収「600万円」の夫は毎月残業が多く、年収「500万円」の友人はほぼ定時退社。「1時間あたりの稼ぎ」で見ると逆転することはある?
実労働時間で時給換算して比較
年収600万円の夫と年収500万円の友人では、年収だけを見ると夫のほうが100万円多い状況です。ただし、残業時間まで含めて1時間あたりの収入を計算すると、友人のほうが高くなる可能性があります。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、2025年の一般労働者の月間総実労働時間は160.5時間でした。総実労働時間は、所定内労働時間と所定外労働時間を合わせた時間です。
仮に友人が月160.5時間働くとすると、年間労働時間は1926時間です。年収500万円を1926時間で割ると、1時間あたりの収入は約2596円になります。
一方、夫が同じ労働時間なら、年収600万円を1926時間で割って約3115円です。夫のほうが高いものの、残業時間が増えるほど1時間あたりの収入は下がっていきます。
夫の1時間あたりの収入が友人を下回るのは、年間でどのくらい働いた場合なのかみていきましょう。計算すると、年間労働時間が約2311時間を超えると、年収500万円の友人より1時間あたりの収入が低くなります。
月平均では約192.6時間となるため、月間総実労働時間が約192.6時間を超えると、年収500万円の友人が1時間あたりの稼ぎを上回る計算になります。
給与と働く時間の両方を見ると差が分かる
年収を比較するときは、給与額だけでなく、働いた時間も考慮すると収入の違いをより具体的に把握できることが分かりました。
同じ年収でも、働く時間が短ければ1時間あたりの収入は高くなります。一方、残業などで労働時間が長くなると、年収が高くても1時間あたりの収入は低くなります。
今回のケースでは、夫の年収は600万円で友人より100万円高いものの、年間労働時間が約2311時間を超えると、1時間あたりの収入は友人を下回る計算となりました。
そのため、年収を比較するときは、「年間でいくら稼いでいるか」だけでなく、「その収入を得るために年間何時間働いているか」も確認することがポイントになります。
残業代には割増賃金が適用される
今回の計算では、年収を年間労働時間で割り、1時間あたりの収入を単純に比較しました。ただし、実際の給与には残業代の割増が反映されるため、労働時間だけで計算した結果と異なる場合があります。
法定労働時間を超えて働いた場合、時間外労働に対しては25%以上の割増賃金が支払われます。さらに、1ヶ月の時間外労働が60時間を超えた場合、超えた部分の割増率は50%以上です。
また、深夜時間帯(22時から5時)に働いた場合は25%以上、法定休日に勤務した場合は35%以上の割増率が示されています。時間外労働と深夜労働が重なる場合などは、割増率が加算されます。
そのため、残業が多い人と定時に近い働き方をする人では、残業時間や残業代の割増率まで含めて給与を確認することが大切です。
年収600万円でも、働く時間によっては年収500万円の友人を1時間あたりの収入で下回ることがある
年収600万円の夫と年収500万円の友人では、年収だけを見ると夫のほうが100万円多い状況です。ただし、年間労働時間まで含めて1時間あたりの収入を計算すると、友人のほうが上回る場合があります。
今回の試算では、友人と同じ労働時間なら夫の1時間あたりの収入は約3115円ですが、夫の年間労働時間が約2311時間を超えると、友人より低くなる計算です。
ただし、実際の給与には残業代の割増賃金も反映されます。時間外労働の時間数や時間帯によって割増率が変わるため、年収と労働時間だけで実際の収入を判断することはできません。年収を比較するときは、働いた時間や残業代の支給状況も確認しましょう。
出典
厚生労働省 毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報 第2表 月間実労働時間及び出勤日数(8ページ)
東京労働局 しっかりマスター 労働基準法 割増賃金編 割増賃金を正しく理解しているかチェック(1ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー