なぜ10月に相談すると「今年分は変えられない」と言われるのか


NISAの金融機関は、1年単位で変更できます。日本証券業協会によると、届出の期間は、変更したい年の前年10月1日から、その年の9月30日までです。2026年分の期限は、すでに9月30日で過ぎています。

 

さらに、変更したい年の1月1日以降に、変更前の口座で一度でも買付があった場合は、その年分の変更はできません。今回のケースでは、毎月の積立で今年すでに買付をしているため、期限内でも今年分は変えられません。

 

次に変更できるのは2027年分で、その届出は2026年10月1日から受け付けられています。

 


来年まで待つと、手数料はいくら余分にかかるのか


今回のケースでは、毎月8万円を購入時手数料3%の商品で積み立てており、積立による優遇はありません。購入時手数料は商品ごとに決まるため、同じ銀行でも商品によって差があります。






・8万円×12ヶ月=96万円(年間の積立額)

・96万円×3%=2万8800円(年間の手数料)




今年の残りを10月から12月の3回とすると、次のとおりです。






・8万円×3回=24万円(年内の積立額)

・24万円×3%=7200円(年内の手数料)




7200円を取り戻すには、積み立てた24万円が約3%値上がりする必要があります。

 


年内の積立は、止めるべきか続けるべきか


止めれば7200円の手数料は避けられますが、その間の24万円は投資に回らず、値上がりの機会を逃す可能性があります。どちらが得かは相場しだいで、一概には言えません。

 

もう1つの方法は、手数料のかからない商品への切り替えです。つみたて投資枠の対象商品は、購入時手数料が0円と決まっており、年120万円まで積み立てられます。

 

今回のケースの毎月8万円(年96万円)なら収まるため、銀行の取扱いに対象商品があれば、年内の手数料7200円はかからなくなるでしょう。

 

ただし、商品が変わるので、信託報酬も比べておくと安心です。取扱商品は金融機関ごとに異なるため、窓口やアプリで対象商品の有無を確かめるとよいでしょう。

 


2027年分から確実に移すには、年内に何をしておくか


2027年分から変更するには、変更前の金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」を出して「勘定廃止通知書」を受け取り、変更後の金融機関に提出します。

 

注意したいのは、2027年1月1日以降に変更前の口座で一度でも買付があると、2027年分の変更ができなくなる点です。積立の設定が残っていると1月に買付が入るおそれがあるため、変更前の積立は年内に止めておくと安心です。年明けの積立開始に間に合うよう、早めに始めましょう。

 

変更前の口座で買った商品は、変更後も引き続き非課税で保有できます。ただし、変更後の金融機関に移すことはできず、売却するまで変更前の金融機関に残る点に注意が必要です。非課税で持てる額の上限(生涯1800万円)には、変更前の分も含まれます。

 


まとめ


今回のケースでは、2026年分は期限と買付の両方で変更できないため、来年まで待つしかありません。年内の手数料は、同じ商品なら7200円ですが、つみたて投資枠の対象商品に替えられれば0円です。

 

2027年分から変更するなら、年内に手続きを始め、変更前の積立を止めておくとよいでしょう。

 

執筆者 : 高橋祐太

2級ファイナンシャルプランナー技能士


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 【新NISA】銀行で「月8万円・購入時手数料3%」で積み立て中、10月に“証券会社”に移そうとしたら「今年分はもう変えられません」と言われた! 手数料は「年2万9000円」なのに、来年まで待つしかないんですか? 」