夫婦で“元公務員”の両親は「退職金4000万円」!? 老後「韓国・ハワイ・タイ」など“海外旅行三昧”ですが、年金も余裕があるのでしょうか? 旅行に「年100万円規模」をねん出できる理由
夫婦で4000万円超えとなる退職金のリアル
公務員の退職金(退職手当)は、勤続年数や退職時の給与、退職理由などによって決まります。定年まで勤めた場合には、まとまった金額を受け取るケースも少なくありません。
国家公務員や地方公務員の退職手当について公表されている、内閣官房内閣人事局の「退職手当の支給状況」や総務省の「令和7年地方公務員給与の実態」によると、定年まで勤めた職員の退職金は国家公務員の場合、2024年度は平均2160万1000円、地方公務員は2204万2000円となっています。
上記から、夫婦2人とも平均的な退職金を受け取った場合は合計で4000万円を超える可能性もあります。そのため、両親が手にした「退職金4000万円」という金額も、勤続年数や給与水準などの条件によっては十分に考えられる金額です。
この額の退職金があれば、老後の医療費や介護費といった不測の事態に備えるための資金としても活用できます。すぐに使わず、老後の生活を支えるための資産として残しておくことも可能でしょう。
毎月40万円超! 公務員夫婦の手厚い年金額
公務員夫婦の強みは退職金だけにとどまりません。夫婦2人とも定年までフルタイムで働いた場合、現役時代の給与水準や加入期間によっては、夫婦合わせて毎月40万円を超える年金を受け取るケースもあります。
公務員の年金制度は、2015年に共済年金が厚生年金に統一され、現在は基本的に民間企業の会社員と同じ厚生年金制度が適用されることになりました。ただし、2015年以前の加入期間がある人には「旧職域加算部分」が経過措置として支給されるほか、2015年10月以降は「年金払い退職給付」が積み立てられています。
そのため「公務員だから一律に年金が多い」とは言い切れませんが、定年までフルタイムで働き、現役時代の給与水準が比較的高かった夫婦であれば、世帯の年金額が月40万円を超えることもあります。
例えば、夫婦それぞれが月21万円の年金を受け取ると仮定すると、世帯の年金月額は約42万円です。年間では42万円×12ヶ月=504万円となります。
夫婦合わせて毎月42万円、年間で約500万円という安定した年金収入があれば、生活費を年金で賄いながら、余った資金を旅行などの楽しみに充てることも可能でしょう。
老後の海外旅行を可能にする「毎月10万円以上の黒字」
この年金収入と老後の生活費を比較すれば、なぜ老後も海外旅行を楽しめる生活が成立するのかが見えてきます。
総務省の「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)」では、高齢夫婦無職世帯の消費支出額は、平均で26万3979円です。ここでは少し余裕をもたせて、毎月の生活費を28万円と仮定して考えてみましょう。
世帯の年金収入が42万円だとすると、毎月の差額は14万円です。年間にすると、14万円×12ヶ月=168万円の黒字となります。
例えば、韓国旅行(夫婦で約20万円)、タイ旅行(夫婦で約30万円)、ハワイ旅行(夫婦で約80万円)に年に1回ずつ行った場合、合計の旅費は約130万円です。年間の黒字額を168万円とすれば、旅行費を年金収入から生じる余剰資金で賄える計算になります。
退職金に手をつけることなく年金の余剰資金で旅行ができる
夫婦で定年まで勤め上げた公務員世帯は、退職金と年金の両面から安定した老後の生活基盤を築ける可能性があります。
夫婦で約4000万円というまとまった退職金を受け取るだけでなく、年金も現役時代の給与水準や加入期間などの条件によっては、夫婦合計で月額40万円を超えていることも少なくありません。
仮に年金収入が月42万円、生活費が月28万円とすると、年間約168万円の余剰資金が生じます。この金額の範囲内であれば、韓国やハワイ、タイといった海外旅行の費用を、退職金を取り崩さずに年金収入から賄うことも可能です。
公務員だった両親が年3回もの海外旅行を楽しむ生活も、必ずしも無理に退職金を取り崩しているとは限りません。十分な年金収入があり、生活費を差し引いても余剰資金が残る家計であれば、現役時代に蓄えた退職金を老後の備えとして残しながら、年金収入の範囲内で旅行を楽しめるでしょう。
出典
内閣官房内閣人事局 退職手当の支給状況
総務省 令和7年地方公務員給与の実態 第9表の1
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー