セカンドオピニオン用の紹介状にはなぜ費用がかかる?


病院の紹介状は、正式には「診療情報提供書」と呼ばれます。その名のとおり、単に「この患者を診てください」と伝えるだけの手紙ではなく、これまでの診療内容を別の医師へ正確に伝えるための重要な書類です。

 

特にセカンドオピニオンでは、別の医師が現在の診断や治療方針について判断しやすいよう、これまでの診療経過や治療計画、検査結果などを整理して伝える必要があります。ケースによっては、CTやMRIなどの画像情報もあわせて用意します。

 

したがって、紹介状にかかる費用は、用紙や印刷そのものの代金ではありません。医師がカルテや検査結果を確認し、別の医師が適切に判断できるよう必要な情報を整理する作業に対して費用が発生すると考えると分かりやすいでしょう。

 

また、紹介状があれば、セカンドオピニオン先の医師も、これまでの経過を一から確認したり、すでに行った検査内容を把握し直したりする手間を減らせます。実際に多くの医療機関では、セカンドオピニオンを受ける際に紹介状や検査データの提出を求めています。

 


セカンドオピニオン用の紹介状は5000円相当と定められている


2026年度の診療報酬では、セカンドオピニオンを目的とした情報提供について、「診療情報提供料(II)」が500点に設定されています。診療報酬は原則として1点10円で計算されるため、医療費全体では5000円相当です。

 

ただし、500点と定められているからといって、患者が窓口で必ず5000円を支払うわけではありません。健康保険が適用される場合は、年齢や所得などに応じた自己負担割合をもとに、実際の支払額が決まります。

 

例えば、自己負担割合が3割の場合、診療情報提供料(II)に対する窓口負担は1500円、1割負担の場合は500円となります。そのため、「診療情報提供料が5000円相当」という説明と、「患者が実際に支払う金額」は分けて考える必要があります。

 

また、紹介状を作成してもらう費用と、紹介状を持参して実際にセカンドオピニオンを受ける際の費用も別になる点に注意が必要です。セカンドオピニオン外来は自由診療としている医療機関が多く、その場合は健康保険が使えないため、費用は全額自己負担となります。

 

セカンドオピニオン外来の料金は医療機関ごとに異なり、相談時間などによって金額が変わるケースもあります。そのため、利用を検討する際は、紹介状の作成費用だけでなく、セカンドオピニオン外来そのものにかかる料金も事前に確認しておくと安心です。

 


窓口で5000円近く支払った場合に確認したいポイント


診療情報提供料(II)は、健康保険が適用される場合、1~3割の自己負担割合に応じた金額を窓口で支払います。

 

そのため、実際の支払額が5000円近くになっている場合は、まず領収書や診療明細書で内訳を確認するとよいでしょう。紹介状の作成費用だけでなく、同日の診察料や検査料など、ほかの費用が含まれているケースもあります。

 

もし記載内容だけでは分かりにくい場合は、病院の会計窓口に「この金額には何が含まれていますか」と尋ねても問題ありません。内訳を確認することで、5000円近い支払いが紹介状だけにかかったのか、それともほかの診療費を含む金額なのかを整理しやすくなります。

 


紹介状を活用して納得できるセカンドオピニオンにつなげよう


紹介状に数千円の費用がかかると、高いと感じるのは自然でしょう。しかし、紹介状は単なる手紙ではなく、これまでの診療内容を別の医師へ正確に伝え、適切な助言を受けるために欠かせない資料となります。

 

また、セカンドオピニオンは、別の医師から意見を聞くことで病気や治療への理解を深め、納得したうえで今後の治療方針を考えるための機会です。

 

費用に疑問を感じた場合は、まず診療明細書を確認し、「何にいくらかかったのか」を把握しておくと安心できます。そのうえで必要な情報をそろえ、セカンドオピニオンを上手に活用しながら、自分が納得できる治療の選択につなげていきましょう。

 


出典


厚生労働省 (令和7年度第7回)入院・外来医療等の調査・評価分科会

厚生労働省 令和8年度診療報酬改定について

国立研究開発法人国立がん研究センター セカンドオピニオン

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 セカンドオピニオン用に紹介状を頼んだら5000円近くかかりました。ただの紙1枚になぜそんな高額な費用がかかるのでしょうか? 」