築45年の実家を売ろうとしたら、「200万円ほどかけて解体したほうが売りやすい」と言われました。そのまま売るより、本当に得なのでしょうか?
解体すれば売りやすくなる可能性はあるが必ず得になるとは限らない
古い家が建った土地を購入する場合、買主が建て替えを希望していれば、購入後に自分で建物を解体しなければなりません。
一方、最初から更地なら、買主は解体の手間をかけずに新築計画を進められます。そのため、住宅を新築したい人にとっては更地のほうが検討しやすい場合があります。
しかし、古家付きでも需要がないとは限りません。リフォームして住みたい人や、解体業者を自分で選びたい人にとっては、そのまま購入できることがメリットになる可能性もあります。
また、解体費を売却価格にそのまま上乗せできる保証もありません。200万円かけて解体しても、売値が100万円しか上がらなければ、単純計算では100万円分の負担が増えます。「売れやすい」と「売主が得をする」は別の問題として考えましょう。
200万円の解体費を上回るメリットがあるか計算しよう
判断するときは、古家付きと更地の査定額を比較します。
たとえば、古家付きなら1500万円、更地なら1800万円で売れると査定されたとしましょう。価格差は300万円です。解体費が200万円なら、単純計算では差額100万円が残るため、更地にするメリットがあるように見えます。
一方、古家付き1500万円、更地1650万円なら価格差は150万円です。200万円の解体費を負担すると、単純計算では古家付きで売ったほうが50万円多く残ります。
実際には、解体費だけでなく、家財の処分や、建物滅失登記を専門家に依頼する場合の費用などがかかることもあります。また、地中から古い基礎や廃材などが見つかれば追加費用が発生する可能性もあります。
そのため、「更地なら○○万円で売れる」という査定額だけを見るのではなく、必要経費を差し引いた手取り額で比べることが重要です。
解体すると固定資産税や売却時の税制に影響する場合がある
解体時には税金にも注意が必要です。
住宅が建っている土地には、一定の条件を満たせば固定資産税の「住宅用地特例」が適用されます。国土交通省によると、200平方メートル以下の小規模住宅用地では、固定資産税の課税標準が価格の6分の1になります。
建物を取り壊して住宅用地ではなくなれば、この特例を受けられなくなる場合があります。解体後すぐに土地が売れなければ、保有中の税負担が増える可能性があるため注意が必要です。
また、売却する実家が自分のマイホームだった場合や、相続した空き家だった場合には、譲渡所得に関する特例を利用できる可能性があります。
たとえば、自分が住んでいたマイホームを取り壊して敷地を売る場合でも、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高3000万円を控除する特例を利用できます。
ただし、取り壊した日から1年以内に売買契約を結び、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却するなどの要件があります。
実家の取得経緯や利用状況によって使える制度が違うため、解体前に税理士や税務署などへ確認しておくと安心です。
解体する前に古家付きと更地の両方で査定してもらおう
築45年だからといって、必ず解体してから売る必要はありません。まずは古家付きと更地、それぞれの査定額を確認しましょう。そのうえで、解体費や税金なども含めて、最終的に手元に残る金額を比較することが大切です。
解体してから後悔しないよう、費用や売却価格を確認したうえで、自分にとってメリットのある方法を選びましょう。
出典
国土交通省 土地の保有に係る税制
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー